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2021年1月16日(土)

きょうの潮流

 トランプ米大統領への批判が止まりません。連邦下院はトランプ氏の弾劾訴追決議案を賛成多数で可決しました。2度にわたって弾劾手続きにさらされる大統領は史上初めてです▼トランプ支持者による議会議事堂の襲撃と占拠。あおったのは大統領自身でした。選挙結果の転覆を狙う「反乱の扇動」です。身内の共和党からも批判が出て、主要閣僚が相次いで辞任を表明しました▼敗北した候補者は結果を受け入れ、国の結束へ力をあわせる―。米国民の多くは民主的な選挙を通じて平和裏に政権交代を実現してきた歴史に誇りを持ちます。トランプ氏への抗議がやまないのはこの伝統を踏みにじったからです▼「選挙によらずに自由な政府を持つことはできない」。南北戦争時の大統領で国家分裂の危機に直面したリンカーンは選挙や民主主義の大切さを何度も説きました。リンカーンは共和党出身の最初の大統領です。「リンカーンを裏切る行為だ」と米メディアも手厳しい▼来週就任する民主党のバイデン次期大統領は「癒やしの時だ」と語り、多様な人種や女性を閣僚に多く起用しました。分断や差別を乗り越えようという国民へのメッセージです▼トランプ現象の根本原因の一つは貧困や格差への国民の不満と怒りです。民主党進歩派は根本原因をただす改革を求め、それはバイデン氏の政策に一部反映されました。だれ一人置き去りにせず、多様性を認める豊かな社会をどうつくるか。米国民の底力が試される新たな4年間が始まります。


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