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2020年8月5日(水)

病床使用率急増

コロナ患者受け入れ 大都市部で4割前後

医療体制 再び逼迫の恐れも

 新型コロナウイルスの感染が全国で再拡大し、患者を受け入れる医療体制が再び逼迫(ひっぱく)する恐れが出てきています。厚生労働省の資料(7月29日現在)によると、患者向けに確保している病床の使用率が7月後半に急増。東京都、大阪府など大都市部では4割前後に達していることが分かりました。専門家も医療体制の軽減をはかるため、新規感染者を減らす対応を政府に求めています。(井上拓大)


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 第1波では重症化患者が急増し、医療体制が圧迫されました。第2波とされる現在は厚労省が発表した最新のデータである7月29日の時点で、病床使用率の全国平均は19・9%です。2週間前は8・8%、1カ月前が3・5%だったので高いペースで病床が埋まっています。

 それでも加藤勝信厚労相は4日、閣議後の記者会見で病床について「国全体としてみれば、逼迫している状況にはまだ至っていない」と述べました。

負担深刻

 しかし東京周辺や愛知、大阪など大都市部では顕著に増加しています。

 東京では同29日現在で確保した病床数が3300床で入院患者は1250人、病床利用率は39%です。1カ月前の同1日が利用率9%、同15日は22%で、明らかに急上昇しています。

 東京都のモニタリング会議(同29日)では専門家から「都内全域で1日当たりの新規入院患者数が100人を超えることがあり、医療機関への負担が深刻である」との指摘が出ています。

 首都圏では埼玉が13%(同1日)から、40%まで増加。千葉県でも同じ期間に17ポイント増の22%となっています。

 使用率が最も高いのは大阪府で42%です。大阪の入院患者は1カ月前の26人から534人となっています。大阪の病床数はこの1カ月間で500床から変わっていません。

 愛知県では1日は0・6%でしたが、39%まで激増。福岡県でも3%から、10倍以上の37%になりました。

逆の施策

 国内の新型コロナの累計感染者は、3日で4万人を突破しました。3万人を超えた先月26日から8日で1万人増加しました。国内での新規感染者は連日千人を超えました。ただ政府は「Go To トラベル」を進めるなど感染拡大防止と逆の施策を進めています。厚労省のアドバイザリーボードは7月30日の会合で医療機関の負担軽減をはかるため「新規感染者数を減少させるための迅速な対応が求められる状況になっている」と分析しています。


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