しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年7月27日(月)

コロナ 重症者が増加

呼吸器装着 8日間で1.5倍

 新型コロナウイルスに感染し、人工呼吸器などをつけた重症者が7月下旬から増加しています。25日現在で全国では79人にのぼります。感染者数が急増している東京都では20人となっています。専門家も重症化の急増に備え医療体制を強化すべきと提起しています。

 体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)の治療を提供する有志の集まり「ECMOnet」(竹田晋浩代表)のデータによると、人工呼吸器(エクモを含む)をつけた感染者は54人だった17日ごろから増加。25日は79人で約1・5倍になっています。

 東京都では17日の7人から増え始め、25日には20人と約2・9倍に急増しています。

 連日、感染者の確認が100人を超えるなど急拡大している大阪府でも重症者が急増しています。17日は2人でしたが、25日には10人となっています。

 厚生労働省は医療者向け診療の手引きで、発症から1週間程度で重症化すると考えられるとしています。さらに重症化する事例では、10日目以降に集中治療室に入るという傾向があるといいます。

 東京都の40代男性は、4月9日に事務所で倒れているところを家族が見つけ、救急搬送されました。検査で新型コロナ陽性が確認され、エクモを3週間装着。回復の兆しが見えてきたところで細菌感染を起こし亡くなりました。

 都のデータでは、重症化しやすいとされる中高年の感染者が増え始めたのは、9日ごろからです。都内では重症患者の増加が、50代以上の感染者が増え始めた7~10日後と重なっています。

 都が重症患者用に確保している病床は100床です。中高年の感染増加に伴い、今後さらに重症患者が増え、人工呼吸器などによる治療体制のひっ迫が懸念されます。

 25日に東京都で確認された感染者295人のうち、40代、50代は25%にあたる75人でした。

 東京都のモニタリング会議(22日)では専門家が「重症患者数は倍増し、重症化リスクの高い高年齢層のほか、40代、50代の重症者が発生している」と指摘。「今後の重症例の急増に備え、搬送体制や病院の受け入れ体制などの強化を早急に進める必要がある」と強調しています。

図

ECMOnetのデータから作成


pageup