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2019年9月16日(月)

主張

「敬老の日」

希望が持てる長生き社会こそ

 きょうは、「敬老の日」です。長年、人生を重ねてきた方々に感謝し、お祝いを申し上げます。

 それぞれの持ち味や経験、特技を生かし、個性豊かに暮らす高齢者の姿は、次の世代にとって、大きな励ましです。日本は平均寿命が世界トップクラスの長寿の国です。誰もが希望を持って長生きできる社会を実現していくことが、いっそう大切になっています。

頼りになる社会保障を

 全国の100歳以上の高齢者は今年初めて7万人を超え、7万1238人になりました。政府が調査を始めた1963年当時は153人でしたから、めざましい前進です。最新の平均寿命も男性81・25歳、女性87・32歳といずれも過去最高を更新しました。男性は世界第3位、女性は第2位です。

 世界に誇る長寿社会を築いてきたことは、医療技術の進歩とあわせ、戦後の日本国憲法下で、医療・福祉など社会保障の充実をめざす世論と運動によるものです。

 憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めています。しかし、すべての高齢者に、この規定に基づく権利と暮らしが保障されている現状ではありません。今こそ25条を生かし輝かす時です。高齢者をはじめ全世代が、安心して暮らせる社会を実現することが重要です。

 “公的年金だけでは老後の資金が2000万円足りない”と記述した金融庁審議会の6月発表の報告書は、多くの国民に衝撃を与えました。「人生100年時代」などと盛んに宣伝しながら、国民の老後の暮らしは、投資や貯金の「自己責任」でなんとかしろという安倍晋三政権の姿勢はあまりに無責任です。年金の給付が減り続ける仕組みは、長寿社会の土台を揺るがすものです。「減らない年金」への改革、低年金者の年金の底上げを実現するとともに、最低保障年金制度を確立し「頼れる年金」にしていくことが不可欠です。

 参院選が終わった直後から、安倍政権が社会保障改悪への動きを加速していることは重大です。人口が多いとされる1947~49年生まれの「団塊の世代」が75歳になり始める2022年に向け、医療・介護費用を抑え込むために、高齢者の医療費窓口負担や介護利用料負担を増加させる案などが検討されています。年齢が進むほど、医療や介護の必要性が高まる高齢者の社会保障給付を抑制・削減することは、命と健康を脅かす大問題です。10月からの消費税率10%への引き上げ強行は、高齢者の暮らしへの大きな打撃です。消費税増税を中止させ、消費税に頼らず暮らしを支える社会保障の仕組みをつくってこそ、安心できる長生き社会への未来が開けます。

戦争の惨禍を繰り返さず

 戦力不保持・交戦権否認を掲げた憲法9条には、悲惨な戦争体験を持つ多くの高齢者の「二度と戦争を繰り返してはならない」という痛切な思いが刻まれています。安倍首相が固執する憲法9条を標的にした改憲の企ては、高齢者の願いに真っ向から反するものです。安倍政権が狙う「戦争する国」づくりは、歴史の逆行に他なりません。世代を超え力を合わせ9条改憲をストップさせましょう。


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