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2019年8月7日(水)

原水爆禁止2019年世界大会・広島決議

広島からのよびかけ

 6日、広島市で開かれた原水爆禁止2019年世界大会・広島大会で採択された決議「広島からのよびかけ」(全文)は、次の通りです。


 ちちをかえせ ははをかえせ/としよりをかえせ/こどもをかえせ

 わたしをかえせ わたしにつながる/にんげんをかえせ(峠三吉『原爆詩集』より)

 74年目の広島原爆の日―私たちは、「にんげんをかえせ」という原爆詩人の叫びを思い起こします。

 原爆は、人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許しませんでした。それは、「人間の尊厳」を根こそぎ奪う究極の非人道兵器だったのです。私たちは核兵器の使用を絶対に許すことができません。その廃絶こそが、核の脅威を根絶する唯一の保証であり、人類生存のための緊急課題です。

 来年は被爆75年です。「生きているうちに核兵器の廃絶を」との被爆者の願いを胸に、「核兵器のない世界」をめざす運動を飛躍的に強めなければなりません。「国際会議宣言」のよびかける2020年にむけた世界的な行動に立ち上がりましょう。

 核兵器の脅威は決して過去のものではありません。アメリカは核使用の姿勢を強めています。中距離核戦力(INF)全廃条約の失効は核軍拡競争の悪夢をふたたび招きかねません。五つの核保有大国は、核不拡散条約(NPT)再検討会議の合意に背をむけ、核兵器禁止条約に反対しています。

 「核兵器は安全の保証だ」とする「核抑止力」論は、核兵器の非人道性の告発によって破綻しています。核兵器禁止条約の発効はもはや時間の問題です。核兵器にしがみつく勢力による逆流は、彼らの孤立のあらわれです。

 あらゆる逆流に抗して核兵器廃絶にむけた前進をかちとるために、来年5月にせまったNPT再検討会議にむけ、草の根からの運動、市民社会と諸国政府の共同の力を大きく結集していきましょう。

 2020年までに世界数億をめざす「ヒバクシャ国際署名」の運動を、首長や議員とも共同し、自治体ぐるみ、地域ぐるみで発展させましょう。アメリカの「核の傘」からの離脱と核兵器禁止条約への参加を日本政府に強く求めましょう。400を超えた禁止条約への署名・批准を求める自治体意見書のとりくみをさらに大きく広げましょう。日米核密約を破棄し、非核三原則の厳守・法制化を求めましょう。

 ニューヨークでの原水爆禁止世界大会をはじめ、2020年NPT再検討会議での国際共同行動を成功させましょう。全国各地から訪米代表団を送り出しましょう。

 被爆の実相をさらに大きくひろめ、核兵器の非人道性を告発しましょう。すべての地域・自治体で「原爆展」や被爆体験を語る集いに取り組みましょう。原爆症認定制度の抜本的改善とともに原爆被害への国家補償を実現するために、被爆者援護・連帯の活動をいっそう強めましょう。「黒い雨」地域の指定を拡大し、被災者の救済を実現しましょう。

 安倍9条改憲阻止のたたかいをさらに発展させ、「戦争法」を廃止しましょう。県民の尊厳をかけた「オール沖縄」のたたかいと固く連帯し、名護市辺野古への新基地建設の断念、普天間基地の即時返還を求めましょう。軍備拡大と日米軍事同盟の強化に反対しましょう。

 朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築のため、憲法の平和原則をいかした外交を展開するよう政府に強く求めましょう。深刻化する日韓関係は、政経分離の原則にもとづき、侵略と植民地支配の反省に立った理性的な対応により改善することが必要です。日韓はじめ東アジア地域における平和を求める市民運動の連帯を大きく発展させましょう。

 原発再稼働に反対し、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求めましょう。地球環境保護を求める運動を強めましょう。雇用とくらしの破壊、貧困と格差の拡大に反対し、軍事費を削ってくらし・福祉・教育をまもる運動を発展させましょう。あらゆる差別に反対し、ジェンダー平等、LGBTの権利拡大を求めましょう。表現の自由へのあらゆる侵害に反対しましょう。

 こうした運動を合流し、市民と野党の共同をさらに発展させて、被爆国にふさわしい役割を政府にはたさせましょう。

 平和行進をはじめ全国各地から反核平和の思いをつないで広島に集結した私たちはよびかけます。人間らしく生きたいと願うすべての人びとと手を携え、人間の尊厳、個人の尊厳のための壮大な共同をつくり出しましょう。被爆者とともに、若い世代とともに、未来を切りひらいていきましょう。

 ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ ノーモア・ウォー


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