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2019年6月7日(金)

「国民が主人公」こそ、戦前、戦後、将来にわたる日本共産党の一貫した政治信条

千葉・演説会 志位委員長の訴えから

 天皇の「代替わり」が大きく報道されています。この問題をタブーにせず、考え、議論することが大切だと思います。

戦前から戦後に――天皇の制度は大きく変わった

 戦前の日本は、天皇が絶対権力を握る体制。反戦平和を貫くためにも、民主主義と人権をかちとるためにも、天皇制を倒すことは避けて通れませんでした。私たちの先輩が、どんな弾圧や迫害を受けようとも、「天皇制打倒」「国民主権の世の中をつくろう」という旗印を掲げて不屈に頑張りぬいたことは、私たちの大きな誇りです。

 しかし、戦後は、日本国憲法によって、天皇の制度が大きく変わりました。憲法によって、天皇の制度は、主権者・国民の全面的なコントロールのもとにおかれました。天皇の制度との関係でも、日本の国の主人公、主権者は国民だということが、憲法の基本中の基本なのです。いま大切なのは、「国政に関する権能を有しない」など制限規定を厳格に守り、天皇の政治利用など憲法の条項と精神からの逸脱を許さないことにあります。

天皇の制度の最悪の政治利用を許さない

 この点で、たいへんな危険な状況があります。安倍晋三首相は右派雑誌の対談で、「令和の時代にふさわしい憲法づくりへ、機運を盛り上げていきたい」と述べています。いったい、元号が変わったことと憲法改定がどんな関係があるというのか。何一つ関係はありません。“「令和の時代」が始まった、さあ「新しい時代」にふさわしい憲法をつくろう”と自らの野望である9条改憲の旗振りを行う。これは、憲法が固く禁じた天皇の制度の最悪の政治利用というほかないではありませんか。

 天皇とその制度を過度に礼賛し、国民に祝意を強制するキャンペーンが、主権者は国民という憲法の根本原理を弱め、主権者である国民と天皇との関係で「主客転倒」の社会的雰囲気をつくっています。天皇とその制度を政治利用し、憲法9条改定を一挙にすすめようという暴挙を絶対に許してはなりません。

時代を変え、社会を変えるのは、主権者である国民のたたかい

 天皇が「代替わり」したことで、安倍政権による暮らし・平和・民主主義をおしつぶす政治の実態は何一つ変わっていません。「元号が変わって、時代が変わる」とか、「社会が変わる」は幻想・錯覚にすぎません。

 時代を変え、社会を変えるのは、主権者である国民のたたかいです。「国民が主人公」―これこそ戦前、戦後、将来にわたる日本共産党の一貫した政治信条です。私たちは、国民とともに希望ある政治をつくるために全力をあげます。


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