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2019年6月6日(木)

主張

自民改憲公約作り

首相の野望を許さない審判を

 安倍晋三首相(自民党総裁)が、7月の参院選では「きちんと改憲を訴えていこう」と指示したことを受け、自民党が改憲の公約づくりを進めています。安倍首相が固執する9条への自衛隊明記などを軸に議論されているとみられますが、改憲公約づくりは「混乱」しているとの報道もあります。

 もともと主権者・国民が望んでもいないのに、安倍氏の執念だけで強行しようとしている改憲に、全く道理はありません。自民党が改憲を公約に掲げて「正面突破」しようというなら、国民の審判でその執念を打ち砕きましょう。

変わらない強い執念

 自民党改憲推進本部の下村博文本部長が5月下旬、党政務調査会の公約作成委員会(委員長・岸田文雄政調会長)に提出した原案には、憲法9条への自衛隊明記など改憲4項目を列記し、「国民の幅広い理解を得つつ、衆参の憲法審査会や党内外において丁寧な議論を行い、早期の憲法改正を目指す」とあったと報じられています。原案が一部で報道されたことや、改憲のための「国民投票法」の「改正」は「早期成立を目指す」と、今国会での成立を諦めたともとれる記述があったため党内で反発が出て、5月末に公約作成委が作った公約原案には、改憲の記述はなかったといいます(「産経」2日付)。下村氏が作成した改憲公約の原案は事実上撤回されたものの、改憲を正面から訴える方針にいささかも変わりはなく、改めて出し直すことになりました。

 安倍首相は今年の憲法記念日に、改憲派の集会に寄せたビデオメッセージでも、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」という気持ちに「今も変わりはない」と断言して、改憲への野望をますますあらわにしています。

 5月下旬に発売された右派系月刊誌『WiLL』7月号に掲載された対談でも安倍首相は「令和の時代にふさわしい憲法づくりへ、機運を盛り上げていきたい」と述べています。改憲とは何の関わりもない天皇の代替わりや改元にかこつけて、改憲を一挙に推し進めようというのは、とんでもない天皇の制度の政治利用です。

 安倍首相や自民党が固執する、憲法9条に自衛隊を書き込む改憲が強行されれば、現行9条2項の戦力不保持・交戦権否認の規定が空文化・死文化し、自衛隊が大手を振って、海外での戦争に参加することが可能になります。

 それだけでなく、自民党の改憲案が示すように、9条に自衛隊を書き込んだうえでその「行動」は「法律で定める」となれば、武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の行使も、法律さえ通せばできることになります。歯止めのない軍事大国への道です。

改憲阻止で力を合わせ

 だいたい憲法の尊重・擁護義務のある首相が、安保法制=戦争法の強行などの憲法破壊を繰り返したあげく、改憲の旗振りをすること自体、言語道断です。

 5月末の5野党・会派の党首会談で合意した参院選の「共通政策」では、「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす」と明記しています。参院選で「安倍改憲は許さない」で力を合わせ、安倍政権と改憲に「サヨナラ」の審判を下しましょう。


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