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2019年5月26日(日)

憲法教育 歴史考える

日弁連などがシンポ

立憲主義破壊の危機共有

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(写真)シンポジウムで意見をのべる(左から)佐藤、石川、加藤の各氏ら=25日、東京・千代田区の弁護士会館

 憲法記念行事シンポジウム「あなたは憲法の意味を知っていますか―憲法教育の過去と未来―」が25日、東京都内で開かれました。日本弁護士連合会などの主催で、550人が参加しました。

 歴史学者の加藤陽子東京大学教授が「今、憲法を歴史から考える」と題して基調講演し、明治憲法を立憲主義的に解釈した美濃部達吉が「健全なる立憲思想」を普及しようと憲法教育を実践したことなどを紹介。一方で、天皇主権に立憲主義の歯止めをかけられなかったことが侵略戦争の暴走を招いた歴史について語るとともに、安倍政権による安保法制強行をはじめ、立憲主義が破壊されようとしている現在の状況への危機感をのべました。

 教育学者の佐藤学学習院大学特任教授は、「人間性の開発」を本来の教育の目的とすれば、日本国憲法の幸福追求権などと結びつけて理解できるとのべ、「教育は人々の生きる権利の保障である」と強調。子どもたちに憲法を自分の言葉で表現させる授業の実践事例を紹介しました。

 憲法学者の石川健治東京大学教授は、美濃部が排斥された天皇機関説事件以降、国家とはかかわりがない個の自由が変質したとして、国民が「個人として尊重される」ことを否定した自民党改憲草案の危険性を訴えました。

 参加した東京都内の女性(74)は「何が正しいのか、分からないようにされている今の政治状況だから、憲法を自分の判断の基礎にしていきたい」と話していました。


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