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2019年5月18日(土)

改憲 動き急

安倍首相「参院選で訴える」

憲法審に執念 派閥勉強会

 参院選に向けて安倍政権と自民党が改憲の動きを強めています。安倍晋三首相は17日、下村博文党憲法改正推進本部長と首相官邸で会い、「夏の参院選できちんと改憲を訴えていこう」と述べました。自民党は全国の小選挙区支部レベルで改憲推進本部の設置を進めており、改憲について、全党あげてこれまで以上に有権者に訴える必要があるとの認識で一致しました。


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(写真)野党代表(手前)とともにコールする憲法集会参加者=3日、東京都江東区

 下村氏は16日には、党内各派閥に対し、改憲に関する議論の機会を設けるよう要請。麻生派は同日昼の派閥会合に合わせ、勉強会をスタートさせています。党改憲推進本部では現在、有識者を招いてヒアリングを実施していますが、「そんなにたくさんの国会議員が参加しているわけではない」(下村氏)という実情をふまえた対応です。

公約明記の報道

 また同日、党本部で開かれた参院選向けの全国女性議員政策研究会の懇親会に出席した首相は「大きな課題である憲法改正も待っている」と発言し、憲法審査会の開催と改憲論議の推進を訴えています。首相は、報道では13日の自民党役員会でも参院選へ向け積極的な改憲論議を行うよう求めたとされ、同党の公約作成委員会では月内に公約原案をまとめる動きで、改憲の「早期実現」を公約に明記する動きも報じられています。

 衆院の憲法審査会では、自民党の新藤義孝筆頭理事を中心に、国民投票法改定の与党案の審議と議決を求める執拗(しつよう)な動きが続いています。国民投票法改定問題を早々にクリアし、「自由討議」の開催を機に自民党改憲4項目を審査会に提示する狙いです。参院でも、自民党の岡田直樹憲法審幹事が14日、審査会を「速やかに開催せよ」と発言しています。

 国会で何が何でも改憲論議を始動し、参院選で改憲を正面から問いながら論議を盛り上げる戦略です。世論と野党の反発で改憲論議が全く進められなかった昨年の状況への「反省」から、世論喚起へ正面突破を図る強い執念があります。

与党内に異論も

 他方、自民党内からは「選挙で憲法を正面から掲げることが得策なのか。慎重に考えるべきだ」(参院自民党関係者)「憲法、憲法というのは安倍さんだけだ」(改選議員)という声も漏れます。

 公明党の斉藤鉄夫幹事長は17日の記者会見で、改憲を争点にした解散・総選挙の可能性が自民党内で言及されていることについて「国民の間で憲法についての議論が盛り上がっている状況ではない。それをテーマに(衆院)選挙を行うことはあまり適切ではない」と述べています。

 3日の憲法集会には6万5000人が集まり、「安倍改憲許さず」の熱気にあふれました。安倍改憲NOの国民世論、市民運動と改憲策動との激突は激しさを増しています。


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