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2018年12月8日(土)

きょうの潮流

 アメリカが仕掛けたわな、自存自衛のため、目的はアジアの解放―。あの戦争は正しかったと主張する本が書店の一角に並んでいます。数も多く、まるで時流に乗るかのように▼戦後70年余がたつ現在も、日本では戦争の真実をゆがめる勢力が堂々とはびこっています。改憲政権の企てと結びつきながら。それは国民にとっても、アジアの国や人びとにとっても、過去を清算できない不幸をもたらしています▼権力による事実のねじ曲げは戦時中にも。戦果の水増しと敗北や損害隠しのくり返し。撤退を転進、全滅を玉砕と言い換える言葉のごまかしや、でたらめな数字をあげて国民を欺きつづけました▼「大本営発表の説明は実に『でたらめ』で…敵の攻略企図も上陸も云(い)はずに、まるで『ねつぞう』記事なり」。そのあまりのひどさは、海軍幹部だった高松宮が当時の日記に「けしからぬ」と記したほど(辻田真佐憲著『大本営発表』)。改ざん、隠ぺい、ねつ造の体質。それは今の政権にも通じます▼戦争法を平和安全法制、戦闘を武力衝突、武器輸出を防衛装備移転、米軍ヘリの墜落を不時着。安倍首相をはじめ、うそをまぶした言葉のすり替え、事実を隠し偽る事例は山ほど。公約違反さえも「新しい判断」と居直る臆面のなさです▼77年前のきょう、日本国民は太平洋戦争へと引きずり込まれました。権力のまやかしによって翻弄(ほんろう)された、数え切れないほどの営みと命。歴史を偽造するものたちに未来はない。今も昔も変わらない真実です。


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