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2018年11月22日(木)

きょうの潮流

 言葉には力がある。権力を持たない人々の声を届けるため臆することなく自分の言葉を使いたい―。米中間選挙で連邦下院議員に当選したイルハン・オマル氏がツイッターで抱負を語っていました▼アフリカ北東部ソマリア出身。内戦を逃れてケニアの難民キャンプで過ごし、子どもの頃に難民として米国に来ました。もう一人のパレスチナ系女性とともに米史上初のイスラム教徒の女性下院議員になりました▼イスラム教徒への侮辱を繰り返してきたトランプ大統領はソマリアを含む一部のイスラム圏諸国からの米入国を禁止。中間選挙でも移民・難民への敵意をむき出しにして「脅威」をあおりました▼しかし結果はトランプ氏の思い通りにはなっていません。イスラム教徒の当選者は地方議会も含めると50人超と歴史的な快挙となりました(「米イスラム関係評議会」調べ)。専門家は「移民や難民を敵視する政権への直接的な拒絶だ」と指摘します▼差別と偏見、分断と対立をあおるトランプ氏。その危険は軽視できませんが、一方で脅しに屈せず連帯の力で危機を乗り越えようとする流れが成長しつつあることも確かです。オマル氏を多くの有権者が支持したこともその一例でしょう▼史上初の先住民女性議員や史上最年少議員が誕生し、女性議員は過去最多に。下院はかつてなく多様性に富む議会になります。「大切なのは希望を失わないこと」。こう語るオマル氏をはじめ、新議員がどんな新風を吹かせるのか。全米に期待が広がります。


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