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2018年10月30日(火)

きょうの潮流

 西郷隆盛、平清盛、徳川家康、坂本龍馬…大河ドラマなどで主人公として活躍する「英雄」たち。しかし、その裏にはさまざまな形で戦乱に巻き込まれる人たちがいます▼日本中世史研究者の呉座勇一さんは『戦乱と民衆』という本の中で、「歴史から何か学ぼうと本気で考えるならば、英雄たちの戦いに目を向けるだけでは、視野が狭い」とのべています。「民衆の被害」「負の側面」にも目を向けないと「歴史からほんとうの意味で何かを学ぶということは難しいのではないか」と▼一部には「日本はすばらしい」ということだけを一面的に強調する風潮があります。政府自身、教科書検定や政治的圧力で、「負の側面」を歴史の授業で教えることを抑え込もうとしています▼同じく中世史研究者の高橋昌明さんは著書『武士の日本史』で、死をも恐れない日本の武士の「勇敢」なイメージが明治以降つくられ、軍国主義をあおったことを指摘しています。そして、これからの日本には「軍事面での勇敢さ」は不要で、平和のために「勇敢に、粘り強く努力すべきである」といいます▼歴史を都合よく解釈して、政治的に利用するのではなく、事実をきちんと踏まえて教訓をさぐる。それこそ学問のあるべき姿でしょう▼「人文科学は役に立たないという昨今の風圧もある」(高橋さん)中で、歴史を学ぶことの意味をあらためて考えたい。侵略戦争への反省から生まれた憲法を変えようという動きが強まる時代だからこそ、真剣に求められます。


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