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2018年8月28日(火)

きょうの潮流

 公立保育園を全廃する。そんな計画を進める自治体があります。東京都東久留米市です▼計画が浮上したのは2016年3月。同市には今年度末に民営化で閉園する園のほか、五つの公立園があります。この五つは民間園に引き継ぎをせず全廃。第1弾として来年4月から1園を募集停止し、23年度末で閉園にします▼保育園民営化の動きは全国的に起きていますが、貧困対策などもあり、自治体に数カ所残すのが一般的。同市の人口は12万人。専門家も「これほどの規模の自治体で全廃とは、あまり聞いたことがない。待機児童が問題になっているのに、なぜなのか」と驚きます▼最初の廃止園とされた、しんかわ保育園の父母会は猛反発。「『ハコモノ』じゃないよ。『タカラモノ』。」と書かれたポスターを市内全域に張り出しました。触発された元保育士が応援歌「ぼくらのたからもの」を作詞・作曲。ミュージックビデオは動画共有サイト「ユーチューブ」で公開され、話題に。諸団体が集めた反対署名は合計で人口の1割を超えました▼これほど重大な計画なのにパブリックコメント(意見公募)はなし。5日に開かれた市民説明会で参加者から「市の責任の放棄だ」と猛烈に抗議されたのに、2日後に廃園条例案を決定。来月の市議会での成立を狙っています▼民意無視の暴走を続ける安倍政治さながら、自治体レベルでも荒れ狂う横暴。「わが市で許せば、全廃が全国に広がりかねない」。「タカラモノ」を守るため市民は立ち上がっています。


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