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2018年8月14日(火)

主張

日米FFR初会合

理不尽な米の要求に反対貫け

 4月の日米首脳会談で設置が決まった、日米の閣僚級の貿易協議の初会合が開かれました。「自由(Free)」「公正(Fair)」「相互的(Reciprocal)」の頭文字をとって、「FFR」とも呼ばれるこの協議では、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表(USTR)が出席、2国間交渉で自動車や農業分野での譲歩を迫るトランプ米政権の姿勢が浮き彫りになりました。安倍晋三政権は「国益は譲れない」(茂木氏)としていますが、「自国第一」の米政権の要求に、抵抗が貫けるかが問われます。

中間選挙までに成果狙う

 初会合での詳しい協議の中身は不明ですが、9月に次回の会合を開くことを合意しており、具体的な交渉は次回以降とみられます。9月には日米首脳会談、11月には米の中間選挙が予定され、トランプ政権が「成果」を求めて圧力を強めてくるのは目に見えます。

 新しい貿易協議は、昨年1月トランプ氏が大統領就任後、自国最優先の姿勢を打ち出し、環太平洋連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)など多角的な貿易協定からの離脱や見直しを進め、2国間協議で要求を貫くことを鮮明にする中で設置が決まったものです。日米ではトランプ政権発足直後、麻生太郎副総理とペンス副大統領で作った日米経済対話があり、貿易協議は形のうえではその下に置かれています。貿易通商問題に絞った日米協議は、1990年代以来です。

 トランプ政権がTPPなど多国間の枠組みから離脱し、2国間交渉で譲歩を迫るのは、多国籍企業のもうけを最優先するTPPなどへの国内の批判が無視できないことに加え、国内の企業や生産者の支持を獲得するためでもあります。トランプ政権が自動車やアルミ製品などの関税を引き上げ、中国や欧州、日本などとの摩擦を激化させているのも、自国の利益を最優先させているためです。

 2日間にわたった第1回のFFRでも、日本が期待したアメリカのTPP復帰の協議などには米が応ぜず、あくまでも2国間交渉で成果を求めるトランプ政権の姿勢は明らかです。これまでの言動から見て、アメリカで生産された自動車や畜産物など農産物の輸入拡大を日本に迫る場になるとみられています。

 トランプ氏は4月の安倍首相との首脳会談でアメリカ製兵器の輸入拡大も求めており、茂木氏も「一般的な貿易のルール分野ではないことも含めて議論することはありうる」としており、そうした分野も取り上げられる可能性があります。

「駆け引き」で譲歩迫る

 トランプ政権の通商政策の特徴は、2国間交渉での目に見える結果を重視するとともに、制裁関税や貿易制限などで脅して「ディール」(駆け引き)で譲歩を迫ることです。日本との間で浮上している自動車や農業分野でも、輸入を拡大しないなら関税を引き上げるなどと脅しています。日本の自動車輸入には関税がかかっておらず、日本の自動車メーカーは米本土に進出して生産を拡大していることからも、一方的に輸入拡大を迫る米の要求は理不尽です。

 トランプ政権が自動車で揺さぶって、農業分野で譲歩を迫るという懸念もあり、協議の行方と安倍政権の姿勢に監視が必要です。


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