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2018年8月12日(日)

主張

続く猛暑

困難抱える人守る対策強めよ

 最高気温35度以上の猛暑日が各地で続いています。消防庁のまとめでは今年夏、熱中症で搬送された人は全国で7万人を超えて過去最高を記録し、亡くなる人も相次いでいます。高温状態はこれから続く見通しとなっており、熱中症への厳重な警戒が必要です。その中で特に心配なのは、経済的理由でエアコンが設置できない世帯や、電気代を気にして冷房使用をためらう人などの存在です。命の危機に直結する問題として放置できません。経済的困窮など困難を抱える人の生活状態をきちんと把握し命を守るため、国と自治体は責任を果たすことが急がれます。

エアコンを命綱として

 札幌市で最高気温30度を超えた7月末、生活保護を利用していた60代女性が熱中症で死亡しました。エアコンや扇風機は室内にあったものの、料金滞納で電気が止められ使えなかったといいます。痛ましい限りです。猛暑への警戒が繰り返し叫ばれていたのに、“命綱”の電気がなぜ止められていたのか。救う手だてがなぜとられなかったのか。市や電力会社など関係機関の対応が問われます。

 エアコンが猛暑から命と健康を守る最低限の生活必需品であることは、政府も認めざるをえなくなっています。厚生労働省が6月末、今年4月以降新規に生活保護申請をした人に対し、「体温の調整機能への配慮が必要な者」などの条件付きでエアコン購入費支給を認める通知を出したのは、その反映です。これまでの政府の姿勢を転換させたのは、関係団体が粘り強く取り組んできた運動の成果です。しかし、3月までに生活保護を使い始めた人は対象外にしたままであり、まだまだ不十分です。熱中症の危険のある人は4月以降の申請者だけに限られるはずがありません。不合理な差別をやめ、3月までに生活保護利用を開始した人に対してもエアコン購入費の支給などを認めるべきです。

 エアコンがあっても電気代がかさむのを恐れ、使用に二の足を踏む人も少なくありません。安倍晋三政権が強行した生活保護費の大幅カットがもたらした影響は深刻です。水光熱費や食費などを対象にした生活扶助基準を平均6・5%も削減した2013年から3年間の引き下げなどが、利用世帯を苦境に追い込んでいます。

 「食事回数を減らした」「電気を極力つけない」などの生活を強いられてきた人たちが、「もう節約するところがない」と、危険な温度に達するような室内でエアコンや扇風機を使わず、ひたすら我慢し続けていることは大問題です。

 憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を侵害する事態は即刻ただすことが必要です。カットされた生活扶助基準などの復活とともに、夏季手当創設は不可欠です。安倍政権が10月から強行を狙う扶助基準のさらなる引き下げは、利用者を一層苦しめるものであり、ただちに中止を決断すべきです。

踏み込んだ制度の検討を

 生活保護利用者でない低所得世帯への対策も急務です。エアコン設置への補助、冷房代助成などを国や自治体は積極的に検討すべきです。過酷な状況にある豪雨被災地では特別な支援が必要です。

 「災害」級の猛暑から国民を守るため、従来のやり方にとどまらない仕組みこそが求められます。


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