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2018年8月5日(日)

主張

大規模豪雨1カ月

被災者が希望持てる支援急げ

 西日本を中心に大きな被害をもたらした豪雨から1カ月になります。記録的な大雨は広範な地域で河川の氾濫や浸水、土石流や土砂崩れなどを引き起こし200人以上の命を奪いました。行方不明者の捜索はいまも続き、多くの人が避難生活を強いられています。大量の土砂やがれきの撤去など、被災者は復旧・復興へ向けて懸命な努力を続けていますが、まだまだ日常は取り戻せません。いま必要なのは、被災者が希望を持って前に進むことができるような支援を抜本的に強めることです。政治の役割がいよいよ重要です。

戻らない日常の暮らし

 過去の観測記録を塗り替える激しい雨が、九州、中国、四国から近畿、東海にかけての広い地域に降り注ぎ、土石流や泥流が家屋を押つぶし、家の屋根まで達する浸水被害を広げました。さらに、道路や水道などライフラインが各地で寸断され、孤立する地域も相次ぎました。

 西日本を中心に各地を襲った今回の豪雨は、重大な被害を広範な地域に同時多発的に発生させた、かつてないものです。残された爪痕はいまも深く、被災者の苦悩は続きます。

 それに加えて連日の厳しい猛暑です。避難生活も長引くにつれ、心身ともに疲労が蓄積してくる被災者の健康にたいして特別に注意をはらう仕組みづくりが急務となっています。高齢者や子どもを中心に心のケアや気軽に相談ができる体制をつくるなど、きめ細かな対策がさらに求められます。

 地域の主だった道路などでは土砂の片づけなどはすすみつつあるものの、家屋に流れ込んだ土砂を撤去することは被災者の個人の力ではどうにもなりません。この間、住民の声に基づく日本共産党議員などの要求で、土砂の撤去や壊れた家屋の解体で行政による支援が行えるようになりました。

 被災地の実情にかみ合った支援がさらに可能になるよう、現在の制度のフル活用や弾力的運用など政府や自治体は力を注ぐことが必要です。

 避難者への応急仮設住宅の建設が急がれる中、これまでの地域のコミュニティーを壊さないように仮設の建設をすすめることが大切です。子どもの学校や職場に通いやすい場所に仮設をつくることは、住民が定住し地域を守っていくためにも不可欠です。その点で住環境が良く、長く使うことができる木造仮設に期待と注目が集まっています。政府は木造仮設の積極的な活用を検討すべきです。

 甚大な被害が出ている農業をはじめ苦境に立たされている地域産業の再生に向けた支援にも本腰を入れ、不安を抱く被災者に展望を示すことも急がれます。

 住宅再建でも生業(なりわい)再生でも、これまでの制度の枠にとどまらない公的な支援に踏み出すことなどが求められます。

「災害国」の政府として

 今回の豪雨では地域の危険を知らせるハザードマップが作られながら十分生かされなかった問題も浮上しています。防災体制の点検・検証は全国共通の課題です。

 昨年7月の九州北部豪雨をはじめ毎年のように豪雨被害が続く中で、河川改修やダム建設など公共事業のあり方、まちづくりの進め方も問われます。「災害多発国」の政治の力が試されています。


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