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2018年7月2日(月)

きょうの潮流

 「書類ではなく個人をみて。判定されているのは紙1枚ではなく、生きている人間です」。こんな訴えを立て続けに聞きました▼一人は、障害年金の打ち切り予告を受け取った女性です。先天性の心臓病があり、悪化することはあっても完治することはない。申請にあたって、主治医が申請書を出す限り受給できるものと思っていた、夫がいるものの万が一のときに経済的な支えとなるのは障害年金だけと。涙をためた目が忘れられません▼数年前、ある認定医が語っていました。年金の認定にかける時間は、新規で約2分、女性のケースのような再認定の場合は、わずか15秒程度。臨床医としての仕事を持ちつつの業務のため、これが精いっぱいだと▼訴えのもう一人は、障害児が放課後や長期休暇を過ごす放課後デイサービス事業所にわが子を通わせる母親です。4月からの報酬改定で2割もの事業所が存続の危機に。障害の重い子どもを受け入れる割合に応じて報酬も2区分されました▼紙1枚で発達成長する子の障害が判定できるのか。職員や仲間とのかかわりを通じて、“問題行動”を以前ほど起こさなくなった子の障害が“軽い”とされ、事業所への給付が減るのはあまりに理不尽です▼安倍晋三政権の社会保障費抑制政策は、社会保障を必要とする人たちの顔を見ずに支援を切り捨てるもの。国民が健康で文化的な生活を送れるよう、社会福祉を増進するとの視点に欠けています。それに抗し、人権としての社会保障の確立をめざしたい。


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