しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月27日(水)

きょうの潮流

 トラックがひんぱんに行き交う道路、歩道にはランドセルの小学生やベビーカーを押す母親の姿。その現場は16年前と変わりませんでした▼横浜市内の幹線道路を走っていた大型トレーラーの前輪が突然外れ、歩道の母子3人を直撃。29歳の岡本紫穂さんの命を奪った事件は三菱自動車のリコールにまで発展しました。それを下敷きにした池井戸潤さんの小説「空飛ぶタイヤ」が映画になって、いま上映されています▼巨大企業の不正や横暴とたたかう中小企業の社長、大企業の中で揺れ動く社員。そこに銀行や警察、週刊誌の記者らが絡み、正義とは何か、守るべきものとは、を熱く問いかけてきます▼実際に社会を大きく揺るがせたこの事件。映画にも、小説にも描かれていない真実があります。それは事故が起きる前から三菱自動車の欠陥隠しを暴いてきた本紙の連続追及です。相次ぐ重大事故の裏で隠されていた危険にいち早く迫り、構造上の問題を指摘し続けました▼飽くなきコスト削減と開発競争。「安全はお客で試す」という自動車業界の闇。痛ましい事故を一つでも減らそうと書き続けた執念の記事は世論を動かし、リコール隠しを見逃してきた国の責任も明らかにしました▼「新聞読まない人は全部、自民党」。折しも麻生財務相がまた新聞報道への不満を。逆にいえば、モリカケ問題をはじめ、事実を、真実を伝え広げれば自民党から離れていくことに。私たちも大いに。来週から「しんぶん赤旗」は電子版をスタートさせます。


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