しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年6月26日(火)

きょうの潮流

 「沖縄の人たちも我々も危険にさらされることになる」。米ブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソン氏がそう回想しています(オンライン英字誌『アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス』1日付)▼米軍占領下の沖縄に陸軍兵として駐留した同氏が心配したのは、当時配備されていた核ミサイルのナイキ・ハーキュリーズのこと。米軍報告書によると長さ約12メートル、重量約5トンの地対空ミサイルです▼大編隊でソ連軍機から攻撃されると、当時のミサイルでは迎撃困難。そのため空中での核爆発で迎撃しようと開発されました。ソ連機の破壊はできても、核爆発で地上にも放射線が降り注ぐことになるとラブソン氏。不安は当然です▼同ミサイルは59年に米軍那覇飛行場で誤って発射され、海に落下、あわや核爆発で那覇市が消滅しかねない事態も起こしています。昨年9月のNHKスペシャル「沖縄と核」で紹介され衝撃を与えました▼ラブソン氏は67~68年に本島北部の辺野古弾薬庫で任務につきました。当時、同弾薬庫にも「核兵器が貯蔵されていた」と。周辺は住民が車を止めただけでも拘束、尋問されるほどの厳戒態勢でした▼同弾薬庫近くで政府は新基地建設を急いでいます。米側が緊急時の沖縄核再配備の権利を保持し、辺野古弾薬庫などを使用可能な状態に維持するとした密約の存在も明らかになっています。「核兵器は日本を守らない。かえって攻撃される危険を高める」とラブソン氏。新基地建設は悪夢への道です。


pageup