しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月7日(水)

きょうの潮流

 論文のねつ造やデータの改ざん、盗用。真理の探究者といわれる科学者は、なぜ不正行為に手を染めるのか。実際の事例から背景を説いた『背信の科学者たち』という本があります▼名誉欲や出世欲、研究費や環境をめぐる過度な競争。科学研究における不正行為はその世界にとどまらず、私たちの社会や生活、生命をも脅かしかねないと。企業の相次ぐそれも同様の影響をもたらします▼では政治の世界はどうか。いま森友学園との国有地取引をめぐり、公文書を改ざんしたのではないかと安倍政権が追及されています。改ざんはなかったと当事者の財務省もいえない。苦し紛れに「捜査中」や「直ちに確認できない」などと逃げ回っています▼思えば、この政権は同じようなことをくり返してきました。加計学園の「総理のご意向」文書や南スーダンの自衛隊日報隠し問題、裁量労働制のでたらめなデータ。存在しない、廃棄したといっていた文書が次々に見つかっています▼法治国家として許されない、事実であれば内閣総辞職に値する―。共産党の辰巳孝太郎議員が迫りました。今後われわれは何をもとに、何を信じて国会で論議するのか。歴史を改ざんすることにもつながる▼権力の座にしがみつくための隠ぺいや偽り。「真理を求める科学者の情熱こそ、科学を純粋なものにする」。先の著書は社会学者マックス・ウェーバーの言葉を引いて誠実であれと説きます。政治に真実を求める国民の声こそ、不信と背信の政権を追い払う力です。


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