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日本共産党

2018年3月3日(土)

きょうの潮流

 吹雪は、古くは「雪吹」と書きました。激しい風に雪がふぶくすさまじさ。『北越雪譜』は「吾国にては雪吹にあふものは九死に一生」と記しています▼吹雪で視界が真っ白になり、上下も左右もわからない。いまでは「ホワイトアウト」と呼ばれる現象を起こした暴風雪は、5年前に北海道で多くの犠牲者を出しました。雪に埋もれた車内では母子4人が一酸化炭素中毒に。娘を抱いたまま命を落とした父親も▼春の嵐の影響は今年もまた。北日本の広い範囲で暴風雪となり、北海道は数年に一度の猛吹雪に見舞われています。雪で車が動かなくなった人を助けに向かったロードサービスの従業員が死亡する痛ましい出来事も起きています▼この冬の寒波は北極の氷が溶けていることが原因だと指摘する専門家もいます。北極が温暖化することで気流が変化し、寒気が南下しやすくなると。日本だけでなく世界各地をおそい、アフリカのサハラ砂漠でも積雪が観測されました▼温暖化が寒さを招くという逆立ち現象。しかし地球温暖化は平均気温の上昇によって気候システムが変化し、異常気象が増える可能性が大きくなること。異常な低温もその一つでしょう▼このままでは2040年代までに産業革命以降の世界の気温上昇が1・5度に達してしまう恐れがある―。気候変動の専門家が集まった国連の会合は、脱炭素化の加速を各国に迫るといいます。地球のポンプといわれる北極の氷がなくなったら…。そんな世界は想像もしたくありません。


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