しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月1日(木)

きょうの潮流

 私たちのローレンは野生生物学者になるという夢をもっていました。人を愛し、動物を愛し、破滅から救いたいと願って。高校では最高の成績をおさめ、あと数週間で卒業するところでした▼20年ほど前に米コロラド州の高校で起きた銃乱射事件。娘を亡くした両親が思いを語っていました。心をえぐり取られ、生きる目的も失った深い孤独と喪失感。それを支えあった遺族の絆。何よりもこうした残虐な犯罪が二度と起きないように、子どもたちの殺害を記憶していくと▼米国社会で後を絶たない銃による悲惨な事件。それなのに、まだ続いている―。17人が犠牲になったフロリダ州の高校銃乱射事件で親友を殺された生徒は、ホワイトハウスで涙ながらに訴えました▼どうして戦争用の武器が簡単に買えてしまうのか、銃を規制してほしい。そう迫る生徒や遺族らにトランプ大統領は学校の武装化をすすめ、銃を携える教師にはボーナスを与えるとまで▼銃の保有を強力に推進してきた全米ライフル協会から支援を受け、意向に沿う大統領。しかしいま、本紙の米特派員が伝えるように銃規制をもとめる連帯の運動が各地にひろがり、世論に押される形でライフル協会との関係を見直す企業も相次いでいます▼もう銃はいらない、悲劇をくり返させない。若者や遺族を先頭に全米で響きわたる市民の声。直近の世論調査では米国民の7割が銃規制の強化を支持しています。決して、あきらめない。それは世界に共通するたたかいの原動力でしょう。


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