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2018年1月22日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

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 日本共産党の小池晃書記局長は21日のNHK「日曜討論」で、22日から始まる通常国会の焦点である2018年度予算案や改憲問題などについて、各党の代表と議論しました。


通常国会にどう臨むか

改憲が最大問題

国政私物化追及

 まず各党に通常国会に臨む姿勢が問われました。

 小池氏は「森友・加計」疑惑に関して、「単なるスキャンダルではなく、国政の私物化、情報の隠蔽(いんぺい)という政治の根本問題だ。徹底追及していく」と表明。沖縄で米軍機事故が相次いでいる問題にふれて「沖縄の米軍新基地建設は絶対許さないという立場で頑張りぬく」と語りました。また、小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が提起している原発即時ゼロ法案について「われわれは100%賛成だ。ぜひ国会で議論したい」と発言しました。その上で、「最大の問題は改憲だ」と述べ、「市民、野党と連携して憲法9条の改憲発議を許さないたたかいに全力をあげる」と決意を語りました。

質問時間削減

野党の追及を逃れたいだけ

 国会運営がテーマとなり、自民党が野党の質問時間削減を狙っている問題が議論になりました。

 自民党の柴山昌彦筆頭副幹事長は「与党もしっかり質問をしたいという要望に応えていただきたい」と発言。これに対して立憲民主党の長妻昭代表代行が、現在の質問時間の配分方法は自民党が野党時代に主張して実現させたことを指摘し、「とんでもない主張だ」と批判。他の野党も反発しました。

 小池氏は、安倍自公政権がこの間「丁寧に説明する」と言いながら、森友・加計疑惑で証人喚問を拒否し、憲法53条にもとづく野党の国会開会要求も無視してきたことを示し、「結局、追及を受けたくないだけの話だ」と指摘。「国会は政府の追認機関ではない。野党に十分な時間を保障するのは当然だ」と述べ、質問時間確保のために野党が連携して与党と対峙(たいじ)していくべきだと主張しました。

来年度予算案

暮らしに冷たく

歯止めなき軍拡

 次に、来年度予算案(一般会計の総額は97兆7128億円)がテーマになりました。

 予算案は、軍事費は過去最大となる一方で、社会保障予算は自然増を1300億円圧縮するもので、小池氏は「暮らしに冷たく、歯止めなき大軍拡という中身だ」と強調しました。

 小池氏は、安倍首相が総選挙で公約に掲げた「幼児教育無償化」について、消費税増税とセットのために20年度以降に先送りされていることを指摘。文教予算は4年連続削減で、社会保障では自然増1300億円削減、生活保護費の削減が子どもの数が多い家庭や母子家庭ほど引き下げられることをあげて、「貧困の連鎖を加速することになる。教育にも子育てにも大変冷たいと言わざるをえない」と批判しました。

 一方で、軍事費では、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入関連経費やオスプレイ、ステルス戦闘機F35、長距離巡航ミサイル導入のための関連経費を計上していることをあげて、「憲法上も大変重大な問題がある」と強調。「抜本的な組み替えが必要だ。そういう立場で予算審議に臨んでいきたい」と話しました。

 社民党の又市征治幹事長は「防衛費は青天井で、社会保障費は抑制する。こういう性格が明確な予算だ」と発言。立民の長妻氏は、先進国の中で、GDP(国内総生産)比で公共事業は1位で、子育て・教育予算は最低レベルだと指摘し、今回の予算でも待機児童解消の予算が少ないことや、生活保護削減が盛り込まれていることを批判しました。

 一方、与党は予算案について、「経済成長の着実な進展を目指すもの」(自民・柴山氏)、「少子高齢化を乗り越えるためと、必要な財政再建を両立させた予算」(公明・斉藤鉄夫幹事長代行)と自賛しました。

「働き方改革」

財界の要求で過労死を合法化

 通常国会で安倍政権が成立をはかる「働き方改革」関連法案について議論となりました。法案の中身は▽「高度専門職」は労働時間や割増賃金などの規制の適用除外として残業代も支払われない高度プロフェッショナル制度の創設(残業代ゼロ法案)▽長時間・ただ働きの温床になっている裁量労働制の拡大▽過労死レベルの残業時間の容認―などが盛り込まれるものです。

 小池氏は「政府は『柔軟な働き方を可能にする』と言うが、労働時間規制を外すことは財界が求めていたことで、『労働者にとっての柔軟な働き方』ではなくて『経営者にとっての柔軟な働かせ方』だ」と指摘。残業時間の上限規制を月100時間とすることについては「過労死の過半数は100時間以下で起きている。これでは過労死合法化だ」と批判し、大臣告示で限度基準としている月45時間を法令化すべきだと主張しました。

 小池氏は「長時間労働をなくすというのであれば、長時間労働を野放図に広げるような『残業代ゼロ』法案、裁量労働制の拡大はまったく矛盾している。撤回すべきだ」と強調。同じ会社で通算5年以上働いた有期労働者が本人が申し込めば正社員(無期雇用)になれるルールが4月から開始されるものの、企業はこのルールから逃れようと雇い止めにする脱法行為がおきていることをあげ、「『非正規』という言葉をなくすというなら、これを直ちに厳格に指導すべきだ」と求めました。

 立民の長妻氏も「この法案が通れば、過労死は確実に増える」「裁量労働制は、無制限に働くような働き方を推奨しかねない。これは電通の悲願だった。撤回していただきたい」と主張しました。社民党の又市氏は、若干の残業時間の上限規制はあるが、残業代ゼロ法案、裁量労働制拡大などを盛り込んだもので、「一言で言えば毒まんじゅう法案だ」と批判しました。

 自民・柴山氏は、月100時間未満もの残業が合法化されることになるにもかかわらず、「罰則付きで(長時間労働の是正の)担保する部分もできたのは非常に画期的だ」と言い張りました。同時に、裁量労働制や高度プロフェッショナル制度については「既存の労働組合からは求める声が出ていない」ことを認めました。

憲法改定

市民と力合わせ発議は許さない

 最後に、憲法改定をテーマに議論されました。自民党の柴山氏は、憲法審査会での議論を推進する立場を改めて表明。自民党がめざす改憲の中身は「党大会の3月の終わりには、党の方針をまとめる方向で進めていきたい」と語りました。

 小池氏は、安倍首相が提起している憲法9条に自衛隊を明記することについて「大反対だ。自衛隊が憲法に書き込まれれば、何の制約もなく海外で武力行使ができるようになり、日本国憲法の『武力によらない平和』『不戦』の理念が根本的に変わってしまう」と批判しました。

 小池氏は共同通信の1月の世論調査では、54・8%の人が安倍政権での改憲に反対し、宗教界でも立場を超えて反対の声があがっていることを紹介し、「憲法を変えてくれという声は多数じゃない」と発言。「(改憲を許さないことは)われわれの歴史的使命だ。市民と力を合わせて絶対に発議を許さないという立場で頑張りたいと思っている」と述べました。

 立民の長妻氏は、「9条に自衛隊を明記すれば地球の裏側まで武力行使できる解釈の余地がでてくる」との憲法学者の声も紹介し、安倍首相の提起については「非常に不可解だ」と話しました。民進党の川合孝典幹事長代理は「国民の多くは安倍政権下での9条改正は望んでいない」と述べ、慎重に議論をやり直すべきだと語りました。希望の岸本周平幹事長代理は「安倍首相のいうように9条を書き込んでも何も変わらないというのなら立法事実がない。安倍さんのいう9条改正は反対だ」と述べました。

 小池氏は最後に、「結局、(憲法に)書き込もうとしている自衛隊は、災害救助で頑張っている自衛隊ではなくて、安保法制で地球の裏側で集団的自衛権を行使する自衛隊だ。その自衛隊を書き込むことになれば、まさに安保法制を合憲化し、無制限に海外で武力行使することを認めることになる。これは重大問題だから、絶対に今年の国会での発議は許さないという立場で頑張りたい」と力を込めました。


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