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2018年1月3日(水)

きょうの潮流

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 「一人居(い)や思ふ事なき三ヶ日」(夏目漱石)。命を縮めるほど物事を考え続けた文豪にもくつろいだ正月がありました▼年が改まり、時の流れに思いをはせている人もいるでしょう。時間は決して止まらず、後戻りすることはありません。「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」とは室町時代の禅僧、一休宗純(いっきゅうそうじゅん)の歌。新年早々どくろを持って練り歩き、人を驚かせた逸話が知られています▼数え年が一般的だった昔、正月に年齢を重ねることへの思いは今より強かったようです。「歳(とし)開(あ)けてたちまち五日 わが生(せい)行くゆく帰休せんとす」(陶淵明(とうえんめい)「斜川(しゃせん)に遊ぶ」)。1600年前、中国の詩人も、年が明けて自分の命はまた終わりに近づいたとよみました▼ただし淵明は明るく開き直ります。先のわからない人生に思い悩むより、自然をめで、友と酒を酌み交わそう。「且(か)つは今朝(こんちょう)の楽しみを極めよ 明日(みょうじつ)は求むる所に非(あら)ず」▼老の字は人が死んで伏す形を模したといわれます。その一方、老には経験豊かな人という尊敬の意味があります。能楽で年始に演じられる「翁(おきな)」は祝いの曲であり、天下泰平、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る神聖な演目です。老人は神の使いとされます▼陶淵明は「桃花源(とうかげん)の詩」で戦争も税もないユートピアの村を描きました。「春の蚕に長き糸を収め 秋の熟(みの)りに王の税なし」。ここでは老人も幼児も屈託なく暮らしています。誰もが楽しく年をとることができる世は、日本共産党がめざす未来社会とも重なります。


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