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2017年10月16日(月)

きょうの潮流

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 青森空港にクマが出没。滑走路が一時閉鎖されたことが、全国ニュースになりました。青森ではクマの目撃情報が、4月からの半年で298件。「クマ出没注意報」も出ています。これではおちおち散歩もできないでしょう▼でもそれは、あくまで人間の側からのお話。クマの側から見ると、少し違う風景が見えてきます。「報道ステーション」に出演の福岡伸一さん(生物学者)曰(いわ)く、「クマにとってみると、最も迷惑な外来種がわれわれヒト。彼らの生息地に土足ならぬコンクリートで空港を造った」と▼確かに青森空港を上から見ると、周りは豊かな森。クマが空港も森も区別がつかないのは当然かもしれません。福岡さんは、「クマやシカ、イノシシの害は人災です。戦後日本は豊かな照葉樹林を杉林に替えて生態系を乱してきた。その結果としてリベンジを受けている」▼自然界からの「リベンジ」といえば、頻発する土砂崩れもそうでしょう。杉やヒノキといった針葉樹林は根が浅く、土砂崩れが起きやすい。九州の集中豪雨では根こそぎ流された木が被害を大きくしました▼対策に乗り出した自治体もあります。先ごろ見た映画「じんじん〜其の二」の舞台、神奈川県秦野市では、山の斜面に根が深い広葉樹を植える取り組みを始めています。森を昔の森に戻す運動です▼見据えるのは50年後、100年後。主演の大地康雄さんは「感動しましたよ。かっこいいおとなたちがいるなと」。本来の国土強靱(きょうじん)化とは何か。ここにヒントがあります。


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