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2017年6月21日(水)

きょうの潮流

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 「民(たみ)、信無(しんな)くんば立(た)たず」。政にとって大切なものは何か。弟子に問われた孔子は答えました。民の信がなければ政治は成り立たない。信用・信頼を失ったら、政治はすでに崩壊したと▼論語にある章句をみると、孔子はまず三つを挙げます。「食糧を十分にし、軍備を整え、民衆が信頼感を持つこと」。三者のうち何から捨てるかと問われると、まず軍備、次に食糧。乱世にあっても民衆の信頼を得ることが何よりも大事だと説きました▼「信なくば立たず」。国会閉会の記者会見で安倍首相が引用しました。どの口が、といいたくなるほどの会見。国民不信を招いたことは反省するといいながら、原因となっている自らの疑惑には口を拭ったまま。まるで野党の挑発に乗ってしまったかのように▼直近の世論調査で内閣支持率は軒並み下落。一方、加計学園の問題をめぐる首相や政府の説明については7割が「納得できない」。民の信は離れていくばかりです▼信の字は人と言から成ります。大漢和には「人言は人の心中を表白するもので、偽りなきもの。故に信はまことを意味し、従って信ずるの意となる」。思想史家の子安宣邦さんは、信という字は人の言葉が実(まこと)であり、信頼の根拠であったことの記憶を持ち続けているといいます▼孔子は「政は正なり」とも。子安さんの読解によれば、政治とは私党の正しさの押し付けではない、民が求める公正の実現でなければならない。政の本義からかけ離れていく政権。そこに人の道はありません。


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