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2017年6月14日(水)

主張

翁長知事提訴表明

違法な新基地差し止めは当然

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 沖縄県の翁長雄志知事は、安倍晋三政権が名護市辺野古の米軍新基地建設で知事の岩礁破砕許可を得ずに埋め立て工事を強行していることに対して差し止め訴訟の提起を表明し、関連議案を20日開会の県議会に提出します。翁長知事は、関係法令や従来の政府見解に基づき、防衛省沖縄防衛局に岩礁破砕許可の申請を再三求めてきました。しかし、安倍政権は、これまでの政府見解を百八十度覆す新たな解釈を持ち出し、知事の許可は不要だとして工事を続けています。問答無用で進められる違法工事を食い止めようと、翁長知事が提訴を決断したのは当然です。

従来の政府見解を一変

 沖縄防衛局は現在、新基地建設のため、辺野古沿岸部の埋め立て予定海域を囲い込む護岸工事に着手しています。沖縄県が指摘するように、今後、埋め立て計画が本格化していけば、岩礁が大規模に破壊されることは明らかです。

 水産資源保護法に基づく沖縄県漁業調整規則は、「漁業権の設定されている漁場」での岩礁破砕行為について、知事の許可を受けなければならないと定めています。

 ところが、安倍政権は、名護漁協が漁業権を持っている海域のうち埋め立て工事に関わる海域の「漁業権の一部放棄」を決議したことで、同海域は「漁業権の設定されている漁場」ではなくなったとし、岩礁破砕許可を受ける必要はないと居直っています。

 これまで政府は、「漁業権の一部放棄」は「漁業権の変更」に当たるという見解を示してきました。漁業法は、「漁業権の変更」に際しては、知事に申請を行い、その免許を受けなければならないと定めています。名護漁協が埋め立て工事に関わる海域について「漁業権の一部放棄」を決議したとしても、知事の「変更」免許を受けない限り、漁業権は消滅しません。同海域は今も、「漁業権の設定されている漁場」であり、岩礁破砕行為には知事の許可が不可欠です。

 安倍政権は、仲井真弘多前沖縄県知事による岩礁破砕許可が期限切れとなる今年3月、従来の政府見解を一変させ、「漁業権の一部放棄」は「漁業権の変更」には当たらないという新たな解釈を示し、名護漁協の決議によって漁業権は消滅したと主張し始めました。

 これは、「辺野古が唯一の選択肢」という立場から、知事の関与を排除して埋め立て工事を強行するため、これまで長年にわたって示されてきた政府見解さえ勝手に変えてしまうという法治国家にあるまじき不当極まる態度です。

 沖縄県は、安倍政権の新たな解釈に対し、これまでの政府見解との整合性などを照会してきましたが、合理的な説明は一切なかったといいます。手段を選ばず新基地建設をごり押しする安倍政権にまったく道理はありません。

沖縄と全国の連帯強め

 翁長知事は、「豊かな生物多様性を誇り、現在のわれわれにとっても、未来の世代にとっても、かけがえのない財産である辺野古・大浦湾の海を埋め立て、県民の手が届かない国有地に耐用年数200年といわれる基地を建設することは、到底容認することはできない」と訴えています。

 辺野古に新基地を造らせない沖縄と全国のたたかいをさらに大きくし、知事を支えていくことが重要です。


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