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2017年5月27日(土)

きょうの潮流

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 将棋とチェスの起源は同じなのだそうです。5世紀ごろ古代インドで生まれたチャトランガと呼ばれるものがそれ。日本に伝わった時期ははっきりしませんが、11世紀半ばに使用された駒が発見されています▼当初の将棋は駒の種類も数も多かったものが、いまの形になっていきました。なかでも「発想の転換としての駒の再使用」によって独自の発展を切り開き、「爆発的に普及した」と増川宏一著の『将棋の歴史』にあります▼史上最年少のプロ棋士、14歳の藤井聡太四段が25日、デビュー後の公式戦連勝記録を19に伸ばしました。ニキビ顔の中学3年生。ういういしさとは対照的な、その百戦錬磨の指し手に計り知れない可能性を感じます▼将棋には「三つの礼」があるそうです。始まりの礼、負けの宣言の礼、対局を振り返る感想戦の後のもの。なかでも「負けました」との宣言で勝敗がつく敗者の礼は、大事な意味があります▼子どもたちの中には、悔しさのあまりこの一言が発せられず泣きだしてしまうことも。しかし、それを乗り越え、潔く言える勇気が棋士へと成長させます。同時にこれは相手を思いやる心も育てます。棋士が勝った際に淡々としているのは三つの礼が「相手への敬意を育む」(日本将棋連盟ホームページ)からです▼これはスポーツのフェアプレー精神に通じます。たたかう相手は互いに高めあえる仲間でもあります。藤井四段が人間力も培いながら、さらなる高みを目指していく。そんな姿にも注目したい。


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