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2017年1月28日(土)

きょうの潮流

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 明るく世話好きで、洗濯物を畳むのが大の得意だった65歳の女性。囲碁が大好きで人懐こかった49歳の男性。かわいらしい笑顔で人気者だった19歳の女性…▼一人ひとりに個性があり、彩りのある生を周りの温かな手のなかで享受していた19人のいのち。無残にもそれが理不尽な凶刃によって奪われた、相模原の障害者殺傷事件から半年が過ぎました▼傷つけられた障害者や犠牲者の家族、施設の職員は今も無念さと心に深い悲しみを抱えたままです。逮捕された27歳の元職員は障害者を差別し、みずからの行動を正当化する主張をくり返しています▼いったんは支える側に身を置いた青年がねじれた考えにとらわれ、狂気に満ちた犯行に走ったのはなぜか。凄惨(せいさん)な事件の後からつづく問いかけは、一個人の言動にとどまらず、私たちが生きている社会のありようにも向けられています▼日本障害者協議会の藤井克徳代表は現代社会の投影だといいます。本紙でも語っているように人に優劣をつける思想は格差や不寛容の社会と地続きだと。経済性や効率で人間の価値をはかることが、こうした差別思想を生み出す土壌になっていると指摘します▼強者になびき、弱者を痛めつける政治。少数者を排除し、国境に壁をつくると命じる指導者。人と人の間に線を引く社会は多くの犠牲を伴いながら、いずれ滅んでいくことは歴史が証明しています。生の価値や意味を決めつける、あらゆる線引きを拒み続ける。すべての人間が自由に生きられるためにも。


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