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2016年6月28日(火)

主張

国際金融市場動揺

内需主導経済への転換不可欠

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 イギリスが国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたのを受け、先週末世界各国の通貨や株式の市場が大きく変動しました。週が明け、世界で最初に始まった東京市場では円相場、株式とも大幅変動は起きませんでしたが、依然不安は残っています。イギリスのEU離脱の動きはこれから本格化します。円安・株高頼みで海外の金融市場の影響を受けやすい安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を続ける限り、日本経済は不安定です。国民の暮らしを優先する内需主導の経済政策に転換することが、日本経済と国民の暮らしを守るために不可欠です。

一時は同時株安の様相

 イギリスがEU離脱を決めたのを受けた先週末の金融市場は、ポンドやユーロに対する日本円の為替相場が急騰したほか、東京、欧州、ニューヨークなどの株式市場で株価が急落、世界的な同時株安の様相となりました。長い時間かけて統合の歩みを進めてきたEUからの離脱はイギリスが初めてで、今後の貿易や通貨、人や資本の移動がどうなるか、欧州と世界の経済に影響は避けられません。

 深刻なのは先週末の動きを見ても日本の円相場の上昇や株価の下落がひときわ大きく、日本経済が海外の金融市場の影響を受けやすいことが改めて浮き彫りになったことです。24日1日だけで円相場が8円近くも変動、株価も終値で1286円も下落するというリーマン・ショックを上回る動きでした。週明けの株価上昇も先週末の下落に比べればごく一部です。

 大きな原因は、外国から投機資金を引き入れて、円安や株高を演出、それによって大企業や大金持ちのもうけを増やせば、日本経済が良くなると言い続けてきた「アベノミクス」のためです。安倍政権が発足した当時1ドル=85円ほどだった円相場は一時120円以上に下落、1万円だった平均株価も一時は2万円台になりました。外国からの資金に加え、日本銀行の金融緩和で企業が利子をほとんど払わなくてもどんどんお金が借りられるようにした結果です。

 「アベノミクス」の強行から約3年半、大企業や大株主はもうけを記録的に増やしていますが、そのほとんどはため込みや新たな投機に向かって、国民の暮らしも日本経済もよくなっていません。実質賃金は5年連続、個人消費は2年連続のマイナスです。

 海外の投機資金に頼り、金融を異常に肥大化させたため、日本経済は極めてもろい体質になっています。海外での経済不安の高まりとともに最近では一転、円高・株安が大問題です。イギリスのEU離脱の動きで日本の金融市場がとりわけ深刻な影響を受けているのはそのためです。

金融頼み続ける限り不安

 週明けの東京市場は大幅な変動にはなりませんでしたが、破綻した「アベノミクス」を続ける限り、日本経済が今後も不安定な動きを続けるのは確実です。小手先の市場介入などではなく、「アベノミクス」を中止し、国民の暮らしを温めて個人消費を拡大する、抜本的な内需主導の経済政策に転換することが必要です。

 消費税の増税を断念するのはもちろんのこと、子育てや年金など社会保障の充実、返済の必要がない給付制奨学金の実現、最低賃金の引き上げなどを急ぐべきです。


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