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2016年6月24日(金)

なるほど!論戦ポイント

安倍首相のごまかし

 
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有効求人倍率自慢するが

正社員1倍超は8都県のみ

図

(拡大図はこちら)

 安倍晋三首相は「有効求人倍率1倍を政権交代前の8県から47すべての都道府県に広げた」(日本記者クラブ党首討論)と自慢します。ただ、それは非正規を含めた数値です。求人の6割は非正規です。直近4月の統計で正社員の全国有効求人倍率は0・85。39道府県で1倍に達せず、求人が求職者に足りません。有効求人倍率から見えるのは雇用の劣化です。

 有効求人倍率は、ハローワークで職を探す求職者1人当たりに何件の求人があるかを示す数値です。厚生労働省が毎月集計して公表します。1を上回れば、求人数が求職者数より多かったことになります。4月の全国有効求人倍率1・34倍は求職者100人に対し134件の求人があったことを示します。

 4月の正社員の有効求人倍率は企業の本社が集中する東京都で1・16倍。自動車関連産業が多い愛知県で1・06倍です。8都県で1倍を超えています。しかし、最低の沖縄では0・33倍。求職者3人に正社員の求人が1件しかありません。高知0・47倍、青森0・54倍、北海道0・58倍など地方の低さが際立っています。2014年4月の消費税増税とアベノミクスで格差が広がり、地方経済が疲弊しています。

農林水産物の輸出7000億円

輸入額は1兆6000億円以上増

 安倍晋三首相は、熊本県での第一声で、農林水産品の輸出額が3年連続で増えて2015年は7000億円を超えたことを示して、「私たちは結果を出しています」と自慢しました。

 ところが、農林水産品の輸入額は、同じ時期1兆6000億円以上増えているという「結果」にはだんまりでした。安倍首相お得意の都合の悪い数字は隠すゴマカシです。

 「農林水産物の輸出入概況」(農水省)によると、農林水産品の輸出は確かに、安倍政権前2012年の4497億円から3年後の15年は7451億円に増えています。しかしその内訳は、ジュースやラーメンなど企業製品と水産加工物が中心で、純粋の農産物は1割にもなりません。

 一方、輸入額についてみると、同時期、7兆9178億円から9兆5209億円と、実に1兆6031億円も増えました。

 農業関係者からは、「安倍首相は、わずかな輸出を針小棒大にいっているだけだ」(千葉県のブドウ農家)、「輸出してくれというが、所得は増えない」(長崎県の農業法人)という声が聞かれます。

 環太平洋連携協定(TPP)を批准した場合は、輸入はもっと増えます。食料自給率が39%と低下している日本ですが、21世紀の食料危機にどう対応するのか。このことも安倍首相は言いません。


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