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2016年5月11日(水)

「沖縄に再び核持ち込む」

米国防総省公開文書 密約の存在 事実上認定

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(写真)米国防総省が公表した歴史書。下線部に「米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際に再持ち込みする権利を維持している」と明記している

(拡大図はこちら)

 米国防総省が、昨年公開した歴史書の中で、沖縄の日本復帰後も「米国は…危機の際に核兵器を再持ち込みする権利を維持している」と明記していることが分かりました。沖縄への有事核再持ち込みに関する日米密約の存在は知られていますが、米国が密約の存在を事実上認め、今なお沖縄を核基地として使用する権利を持っていると明示したのは初めてとみられます。

 文書は米国防総省が戦後の歴代国防長官の任期別にまとめた歴史書の第7巻(レアード長官、1969〜73年)で、同省ウェブサイトで閲覧できます。春名幹男・早稲田大学大学院客員教授が発見し、月刊誌『世界』6月号で示しました。

 文書は核再配備に関して、「協定(1971年の沖縄返還協定)は核軍備について明記していないが、第7条は、米政府は1969年の佐藤・ニクソン共同声明で強調しているように、日本領土内で核兵器保有を禁じるという政府の政策に背馳(はいち)しないよう(沖縄)返還を実行する。米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際にこれらを再持ち込みする権利を維持している」と述べています。

 72年5月の沖縄返還を前にニクソン米大統領と佐藤栄作首相(いずれも当時)が69年11月19日、密約に署名したことは、佐藤氏の密使・若泉敬氏(故人)が著書『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』で暴露。佐藤氏の次男・信二氏(同)宅に署名入りの密約文が保管されていたことも明らかになっています。

 春名氏は、米国防総省が沖縄への核再持ち込みの「権利」を公開文書に明記した意図について、「2010年に外務省有識者委員会が行った密約に関する調査結果で、沖縄核密約について『必ずしも密約ではない』と結論付けたことに対して、密約は存在し、有効であると異議を唱えたのではないか」と指摘しています。

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