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2016年3月2日(水)

2016年度予算案に対する

畠山議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の畠山和也議員は1日の衆院本会議で、2016年度予算案に対する反対討論を行いました。要旨を紹介します。


 予算案に反対する理由を述べます。

 第一に、本予算案は、国民のなかに広がる貧困と格差の是正どころか大増税を押し付け、財界・大企業の利益優先へ大盤振る舞いとなっている点です。

 総務省の家計調査で、2人以上世帯のうち勤労者世帯の実質可処分所得が、30年前以下の水準に落ち込んでいることが明らかになりました。消費税率8%への引き上げで消費者物価指数が15年に104・6まで跳ね上がり、物価上昇は過去最高の水準となりました。

 同じく総務省の労働力調査(詳細集計)では、安倍政権の3年間で正社員が23万人減った一方、非正規雇用の労働者は172万人増えています。ミニ経済白書では、パート労働者だけでなく一般労働者も実質賃金が低下していることを認めています。安倍首相が言う経済の好循環どころか、国民にとっては悪循環が続いているのではありませんか。

 消費税10%となれば、政府試算でさえ国民1人あたり年間2・7万円、1世帯あたり6・2万円もの大増税が押し付けられます。将来の引き上げも政府は否定せず、「軽減税率」はさらなる増税の布石となっています。くらしと経済に取り返しのつかない打撃を与える消費税10%はきっぱり中止するべきです。

 政府は「消費税増税分は社会保障の充実へまわす」と述べますが、予算案に盛り込まれているのは診療報酬の実質減、高齢者医療の窓口負担増、介護保険利用料の倍加など負担増と給付減の全面改悪です。政府の「改革工程表」にもとづき、社会保障自然増を半減以下に削減したためです。どこに社会保障の充実があるのですか。

 国民には負担増を求めながら、法人実効税率を18年度まで2・37%引き下げるなど、史上最高の利益を上げている黒字大企業へ1・6兆円もの大減税をおこない、その穴埋めとして、外形標準課税の拡大で中堅企業への増税をおこなうなど言語道断です。この間の優遇税制によって、結局は、大企業の内部留保が大膨張しただけではありませんか。

 いまなすべきは、長時間・低賃金労働の是正など安心して働ける環境をつくることです。元請け大企業と下請け企業の公正取引へ、国が監視と指導を強めることが必要です。社会保障充実の財源は消費税増税に頼らず、応能負担の原則にもとづく税制改正によってつくりだすべきです。

 この際、民主・維新・無所属クラブによる編成替え動議についてふれます。貧困と格差を是正する点で部分的ではありますが、「返済不要の給付型奨学金の創設」「介護・障害福祉従事者、保育士等の給与の引き上げ」などは必要なことであり、賛成を表明します。

 反対理由の第二は「地方創生」と言いながらいっそう地方の疲弊を加速させる点です。

 「地方創生」を言うのなら、農林漁業に大打撃を与えるTPP(環太平洋連携協定)批准などやめるべきです。予算案には、TPPへの対応として規模拡大や輸出促進に重きが置かれていますが、農家が切実に求める価格安定対策や39%まで下がった食料自給率の向上こそ急がれるものではありませんか。

 5年目を迎える東日本大震災の被災者のくらしと生業(なりわい)の再建は急務です。住宅再建へ被災者生活再建支援金を500万円まで引き上げることや、被災自治体の独自支援策を応援する立場こそ求められます。福島第1原発事故の被害の実態に応じた、支援と賠償へ国が責任を果たすときにもかかわらず、全国で次々と原発を再稼働するなど到底許すことはできません。

 反対理由の第三は、戦争法を強行成立させたもとで5兆円を超える軍事費を盛り込み、アメリカの戦争支援体制を強化している点です。

 新型ステルス戦闘機F35やオスプレイ等の軍備拡大は、周辺諸国との緊張関係を高め、東アジアの平和環境づくりに逆行するものです。後年度負担が膨れ上がり、中期防衛力整備計画をも大きく上回るペースです。

 新たな日米合意に基づき思いやり予算を133億円も増額し、米軍への施設提供整備に、最低でも毎年206億円を積算根拠も示さないまま支出するとしています。対米従属も極まれりではありませんか。

 戦争法によって自衛隊が戦後初めて外国人を殺し、戦死者を出す現実的な危険が生まれています。

 改定PKO(平和維持活動)法において、自衛隊は新たに任務が拡大し、任務遂行のための武器使用も認められました。国連PKO自身が「交戦主体」となっている現実のもと、内戦状態に陥っている南スーダンで、自衛隊が武力行使する可能性について政府は明確に否定しませんでした。また、「駆け付け警護」の一部として「狙撃・射殺」前提の作戦があることについても、政府は検討を認めました。戦闘の当事者になるのは避けられないではありませんか。

 わが党は先月19日、他の4野党とともに安保法制を廃止する法案を提出しました。日本共産党は、国民との共同をさらに強め、憲法違反の戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、安倍政権打倒と日本政治に立憲主義と民主主義を取り戻すため全力をあげる決意です。


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