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2016年2月24日(水)

主張

9条明文改憲策動

「諦めない」首相に諦めさせる

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 憲法の解釈だけでなく条文そのものを変えてしまう「明文改憲」の策動を強めている安倍晋三首相が、先週末の民放ラジオ番組でも任期中の改憲について聞かれ、「自民党の結党以来の悲願で、私も諦めず挑んでいきたい。まずは国民的な議論を広げていきたい」と発言しました。首相は、憲法のどこを変えるか示さず改憲論議をあおりたてるだけでなく、最近では「緊急事態条項」の創設や9条の改憲を持ち出しています。憲法の尊重擁護義務を負う首相が改憲発言を繰り返し、任期中「諦めない」と明言するのは異常で、改憲を諦めさせる国民のたたかいが重要です。

解釈改憲であきたらず

 改憲は、自民党内でも異常な右翼タカ派である安倍首相の持論で、第1次政権で9条などの改憲を任期中に実現すると策動して批判を浴びたほか、3年余り前に政権に復帰した後も改憲手続きを緩和する憲法96条の改定から手を付けるなどの動きを示してきました。一昨年から昨年にかけ、これまでの憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認し、「戦争法」を強行した後、改めて持ち出してきたのが今回の明文改憲策動です。

 昨年末から改憲勢力で合意しやすい「緊急事態条項」の創設から改憲に手を付けるなどの発言を繰り返し、今年年頭のNHK番組では、自民・公明の与党に「おおさか維新の会」などを加え、衆参両院で改憲の発議に必要な3分の2の議席を目指すと発言しました。その後も、「どの条項を改正するかという現実的な段階」などと、前のめりで策動を強めています。

 今月初めの国会答弁では「7割の憲法学者が自衛隊に憲法違反の疑いを持っている状況をなくす」と、9条改憲を主張しました。民放ラジオ番組でも首相は、「自衛隊の存在が明記されていないのはおかしい」などの口実で、9条に手をつける意向を隠していません。

 9条改憲は自民党など改憲勢力のいわば本音で、自民党が2012年に決定した「日本国憲法改正草案」でも、戦争放棄を決めた9条1項に「自衛権の発動を妨げるものではない」と、集団的自衛権でも行使できることを明記し、戦力や交戦権を否定した2項は削除して、「国防軍を保持する」ことや軍事裁判所を設けるなどを盛り込んでいます。文字通り全面的に「戦争する国」になる明文改憲です。

 現在の憲法は、日本が戦前・戦中にかけ侵略戦争を繰り返し、日本国民とアジアなどの諸国民に重大な被害を与えたことを反省し、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(前文)として、戦争を放棄し、軍備を廃止しました。9条を改憲しようというのはその反省さえ投げ捨てるものであり、国際的にも批判を招くのは明らかです。

第1次政権の時のように

 安倍首相は7割の憲法学者が自衛隊に憲法違反の疑いを持っているといいますが、違憲を問題にするなら改憲するのでなく、集団的自衛権の行使容認にまで踏み込んだ自衛隊などを、戦争を放棄した憲法の理念に近づけるべきです。

 かつて第1次政権時代に安倍首相が9条改憲を持ち出した際、「九条の会」をはじめ国民の反対運動が盛り上がり、策動を阻止しました。改憲に反対する国民のたたかいを広げ、安倍首相に改憲策動を断念させる、まさに正念場です。


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