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2016年1月23日(土)

主張

安倍首相施政方針

国民批判に応えぬ危険な挑戦

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 甘利明経済再生相の口利き疑惑が政権を直撃するなか強行された、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説を聞きました。安倍政権が戦争法を強行し、臨時国会の開催も拒否するなかで、昨年秋の内閣改造後初の首相演説です。成立後も国民に説明すると言っていた戦争法についてまともに語らず、施行に向けて万全の準備を進めると主張するありさまです。国際社会を揺るがすテロ問題や世界経済の変調を語るわけでもなく、こまごまとした手柄話と「挑戦」の繰り返しで、改憲まで持ち出す首相に、憲法を守り、国民の批判に応える姿勢はありません。

戦争法で開き直る

 安倍政権が歴代内閣の憲法解釈を変更し、自衛隊の海外での戦争参加に道を開いた戦争法は、国民の批判が沸騰し、首相自身昨年の成立強行後も国民にていねいに説明していくといわざるを得なかった問題です。昨年の臨時国会開催さえ拒否した安倍首相が通常国会での施政方針演説にあたって、いの一番に説明しなければならないことだったのは明らかです。

 にもかかわらず首相は演説も終わり近くになって、短く触れただけです。しかもその中身は、「平和安全法制は世界から支持され高く評価されている」「『戦争法案』などという批判は全く根拠のないレッテル貼り」というだけで、まさに開き直りそのものです。

 肝心の国民は決して戦争法を支持していません。世論調査では成立後も反対が圧倒的です。国民にていねいに説明するどころか批判に開き直り、「平和安全法制の施行に向けて万全の準備をすすめる」というのは、民主主義破壊の極みです。安倍首相には憲法を守るという自覚も、国民の声を聞かないことへの反省もありません。

 政権に復帰してから4年目に入った安倍首相の政治は、秘密保護法の制定であれ、戦争法の制定であれ、事前の国会での演説ではほとんど説明せず、国会が始まってから突然持ち出すのが特徴です。今回の演説でも、戦争法の「施行準備」といいながら、その中身には触れません。予想される南スーダンでの自衛隊の「駆けつけ警護」や中東での「有志連合」の空爆支援についてさえだんまりを決め込む政権の危険性は明らかです。

 安倍首相は演説で環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意や経済政策「アベノミクス」の“成果”を手柄話のように繰り返しました。しかし、コメなど農産物の重要5項目でさえ3割の品目で関税を撤廃するTPPが国会決議を踏みにじっていることや、「アベノミクス」が格差と貧困を拡大し、世界的な経済変調のなかで継続が危うくなっていることには触れません。まさに都合のよいことだけは宣伝し、都合の悪いことは隠す安倍首相の姿勢があらわです。

改憲の「挑戦」許さず

 首相が演説の中で20回以上も口にした「挑戦」の中身は、戦争法に加え、TPP推進、消費税増税、沖縄での米軍新基地建設など、国民に負担と犠牲を押し付けるものばかりです。首相には「挑戦」でも、国民には危険な暴走そのものです。

 重大なのは演説の結びで改憲に「逃げることなく答えをだしていく」と明言したことです。首相は最近の国会答弁でも改憲は「現実的段階」と踏み込みました。危険な挑戦を阻むたたかいが急務です。


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