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2015年12月11日(金)

きょうの潮流

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 無念さが晴れるべくもありません。今も後悔の念にさいなまれています。両親は涙を浮かべ、「娘のような過労死を二度と起こしてほしくない」と▼“どうか助けて下さい 誰か助けて下さい”。7年前、悲痛な叫びを手帳に書き残し、みずから命を絶った森美菜さん。当時、26歳。将来の夢を描き、居酒屋で働きはじめた若い女性を死に追いやったのはワタミの過酷な労働でした▼ときに明け方まで及んだ連日の深夜勤務。調理場の激務に加え、強制的なボランティアや研修、課題リポート作成に追われる日々。残業は月に140時間をこえました。美菜さんの心と体は衰弱し、わずか入社2カ月の過労自殺でした▼娘を失った両親がワタミや創業者の渡辺美樹・自民党参院議員を訴えた裁判が和解しました。ワタミ側は責任を認め、損害賠償だけでなく、再発防止策にとりくむことや他の社員の残業代未払い分を支払うとしています▼これまで遺族との面談や謝罪を拒み、まるで本人の問題と言わんばかりの態度をとってきた渡辺氏も自身の責任を認めました。「365日24時間、死ぬまで働け」と労働者を酷使し、ブラック企業の象徴のような会社をつくり上げたのですから、その責任は重い▼劣悪な労働環境にすり潰(つぶ)されていく若者は今も。心の病で労災認定された人や未遂を含め自殺に至った人は過去最多にのぼっています。それを改善するどころか、さらに悪化させる政治の転換をはじめ、今回の和解をブラック根絶の一歩にしなければ。


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