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2015年6月19日(金)

主張

米軍への後方支援

世界に通用せぬ理屈で強行か

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 世界で通用しない理屈にしがみつき、違憲の法案を押し通そうというのか―。今国会2度目となる党首討論で、戦争法案の矛盾と破たんがさらに浮き彫りになりました。戦争法案は、武力行使をしている米軍などへの自衛隊の「後方支援」活動を広げることについて、他国の武力行使と一体でないから憲法上も可能としています。日本共産党の志位和夫委員長は、こんな議論が国際的に成り立たないと、安倍晋三首相をただしました。首相も国際法上の概念ではないことは認めました。世界の常識にも反する憲法違反の戦争法案を強行することは許されません。

国際法上の概念ではない

 今回の党首討論は、今月4日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者全員が戦争法案を「違憲」と断じてから初めてです。戦争法案の違憲性は、日本が攻撃されていないのに他国のために日本が武力行使する集団的自衛権容認の問題とともに、武力行使をしている米軍など他国軍への武器の輸送や弾薬の補給を行う自衛隊の支援拡大が大きな焦点の一つとなっています。

 政府は、後方支援について、「武力行使と一体化しない後方支援は憲法違反でない」と主張します。しかし、後方支援は、国際的には「兵たん」活動で、武力行使と一体不可分であり、軍事攻撃の格好の目標とみなされるものです。これにたいし安倍首相は、これまで「世界で通用しない」といった指摘は当たらない、と主張してきました。

 党首討論で志位氏は「『他国の武力行使と一体でない後方支援ならば武力の行使とみなされない』という国際法上の概念は存在するのか」とただしました。首相は「国際法上の概念ではない。憲法上の整理」とのべ、これまでの答弁を繰り返すことはできませんでした。

 さらに志位氏は、1999年に当時の外務省の東郷和彦条約局長が「国際法上はこのような武力行使との一体化という確立した概念が存在するわけではございません」「武力行使との一体化の英訳についても確定したものがあるわけではない」と国会で答弁している事実を示し、「武力行使と一体でない後方支援」という議論は世界に通用しないと認めないのか、と首相に迫りました。首相は、「兵たんは安全な場所を選んでおこなう」などとごまかしましたが、「武力行使と一体でない後方支援」という議論は世界に通用しないことを最後まで否定できませんでした。

 後方支援は武力行使と一体でないから憲法違反でないというのは安倍政権が戦争法案を正当化する根拠の一つです。その論拠が崩れたことは重大です。世界に通用しない議論を振りかざし、自衛隊を世界中に送り込もうというのか―。絶対に認められません。

根拠崩れた法案は廃案を

 後方支援が憲法違反でないとするもう一つの根拠である、相手方から攻撃された場合に自衛隊員を守るための「武器の使用」は「武力行使」でないとの言い分も、先月27日の衆院安保法制特別委員会で志位氏が示した外務省見解で「国際的な概念でない」ことが明らかになっています。

 根拠も示せず、首相がいくら「安全な場所を選ぶ」と繰り返しても何の保証にもなりません。自衛隊員が「殺し、殺される」ことになる戦争法案の廃案こそ必要です。


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