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2015年3月22日(日)

きょうの潮流

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 古くから文化や経済の中心地だった京都や大阪は「上方(かみがた)」と呼ばれました。そこで育まれた伝統芸能の一つに上方落語があります▼江戸落語とほぼ同時期に生まれながら、趣を異に。上方言葉の落語は見台(けんだい)や小拍子、膝隠しの小道具を用い、お囃子(はやし)で演出を盛り上げます▼「大阪はすき焼き、東京はお茶漬け」。笑いの味をそう例えたのが亡くなった桂米朝さんでした。たしかに代表作「地獄八景亡者戯」を見ると、1時間超の演目の中に時事ネタを交えたギャグが入り、身ぶり手ぶりの演出で笑いが濃い▼上方落語は戦後、大看板が相次いで亡くなったこともあり衰退。米朝さんは仲間とともにそれを立て直し、若手の育成にも心血を注ぎました。幼いころから親しんだ落語は、人生の百科事典に。「権威や肩書や財産などで人間の値打ちがきまるものではないということを、知らず知らずに感得していった」▼芸の道をまい進しながら、米朝さんの庶民の目は社会や政治にも。「黒田さんが知事になってから大阪の水がきれいになった。以前は(汚すぎて)大腸菌が死んだと言われた」。70年代の黒田革新府政を6代目松鶴(しょかく)とともに応援。黒田さんのお別れの会ではジョークを交えながら功績をたたえました▼「戦争いうもんが、どんなにつらい切ないもんか」。平和や憲法を守る運動に名を連ね、「九条の会・おおさか」の呼びかけ人にも。人の喜怒哀楽を愛し、この世の営みをやさしく見つめてきた米朝さん。その落語や心意気はいつまでも。


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