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2015年2月17日(火)

きょうの潮流

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 350年ほど前のスコットランド民謡「広い河の岸辺」が、中高年の間でブームになっています。日本語バージョンを歌うのは、歌手のクミコさん。外国民謡としては異例のヒットです▼訳したケーナ奏者の八木倫明さん(57)によれば、歌の元の題名は「おお、悲しい、悲しい」。新天地を求めてアメリカに渡ったスコットランド人、アイルランド人が、自分たちを励ますために歌ったそうです▼だからこそ、困難を抱えた人の琴線に触れるのでしょう。コンサートでは、歌を聞きながら口ずさんだり、涙ぐむ人もいます。八木さん自身、英語の歌詞に励まされた一人です▼今から5年前、仕事もなく先が見えなかったときに、本格的にこの原曲と向き合いました。「河は広く渡れない」で始まる歌詞は、八木さんにとって「僕の人生そのものだった」と▼東京・清瀬市の佐々木友子さん(64)は4年前、東日本大震災で岩手県の実家を流され、大切な友人を亡くして落ち込んでいたときに、この歌で生きる気力を取り戻しました。聞きながら終始、涙を流しっぱなしだったといいます。「いつか帰郷したら実家を再建します。八木さんの地方公演の時に宿にしてもらうのが夢」▼妻を亡くしてどん底にいたとき、八木さんと出会った金澤義雄さん(68)はいま、サポーターの一人として八木さんの活動をささえています。この歌を自分で弾きたいとピアノまで購入。人生“激変”です。一つの歌が人をつなぎ、生きるよすがになる。音楽の力は偉大です。


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