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2014年12月24日(水)

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争 (5)

移設先探しは不要

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写真

(写真)米海兵隊普天間基地(宜野湾市役所提供)

 「日米安保体制の必要性は理解しているが、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積の0・6%である本県に74%の米軍専用施設が存在する状況は異常としか言いようがない」(12日、県議会本会議での所信表明)

 翁長雄志(おながたけし)知事はこう訴え、沖縄の過重な基地負担を告発しています。その上で、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)問題については、「普天間の危険性除去」を口実に辺野古「移設」を推進してきた仲井真弘多前知事をこう批判してきました。

 「県民の土地を囲い込んで建設された基地を動かすのに、どうして沖縄県が移設先を探す必要があるのか」

 基地推進派は今なお、「移設先を探さないのは無責任」と非難を繰り返しています。これに対して、米軍基地問題に詳しい林博史・関東学院大教授は「翁長氏の主張は正当なものだ」と指摘します。

説明無き集中

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 「米国の主要同盟国の国土全体に置かれているより、はるかに巨大な基地群が沖縄に集中している。しかも、その理由をだれも説得的に説明していない。安保条約の廃棄以前に、この現状を早急に解決するのは当然です」

 実際、米国防総省の「基地構造報告」を見ても、在沖縄基地の資産価値・面積は、日本・ドイツに次いで多くの米軍基地を抱える韓国をはるかに上回っています。(表)

 林氏は「米国は1950年代以降、多くの海外基地を返還していますが、基地の受け入れ国が代替基地を探すなどという事例はありません。米国が自らの責任で考えるのが当然です」と述べます。

抑止力口実に

 在沖縄米軍基地のうち、面積・人員ともに6割以上を占めているのが海兵隊です。海兵隊は海外で唯一の恒久基地である沖縄を維持しようともくろみ、日本政府も「抑止力」という口実で海兵隊にしがみついています。

 同時に、海兵隊はオバマ政権の「戦略的リバランス(再配置)」に伴い、グアムやハワイ、豪州への兵力の分散を計画し、部隊配置の柔軟性を目指しています。林氏はこう指摘します。

 「これまで基地があったから使っている、あるいは日本の思いやり予算があるから、という以外に基地を置く理由は見当たらない。日本政府が沖縄県民の民意を受け止め、米国と交渉すれば、少なくとも海兵隊の撤退はすぐにでも可能です」

 (つづく)


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