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2014年12月22日(月)

沖縄・新段階の「島ぐるみ」闘争 (3)

基地が成長を阻む

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写真

(写真)かつて米軍基地だった那覇新都心

 「米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確です」―12日、開会した沖縄県議会。翁長雄志知事は所信表明でこう断言しました。「保守」の立場を堅持しつつ、「基地はいらない」と訴える翁長氏の主張は、少なからぬ衝撃を与えています。

経済効果高い

 「驚くことではない。安全保障上の応分の負担は甘受するが、基地はない方がいい、跡地利用した方が、経済効果が高いという認識は前県政から共有されていました」

 こう語るのは、沖縄国際大の富川盛武前学長です。富川氏は仲井真前県政のアドバイザーとして、2030年までの県政の指針である「沖縄21世紀ビジョン」を具体化した1人。ただ、昨年末、仲井真氏が辺野古の埋め立てを承認したのを契機に、たもとを分かったといいます。

 富川氏によれば、同ビジョンは、「基地はない方がいい」という認識を前提に取りまとめられたといいます。

 終戦後の沖縄県民は、地上戦による産業の破壊と、米軍基地の拡張による農地の強奪により、基地関連の需要で生計を立てる以外にありませんでした。富川氏が作成した統計によれば、1957年の基地依存率は56・8%に達していました。

 しかし、この比率は徐々に低下。96年以降は一貫して5%前後で推移しています。

 一方、観光産業は本土復帰以後、大きな飛躍をとげ、軍関係収入約2000億円に対し、観光収入は約4500億円に達しています(最新の県統計)。

 富川氏は言います。「那覇新都心や北谷町のハンビータウン、美浜地区といった、基地の跡地利用で成功した事例はいくつもある。加えて、日本経済が低迷する中、沖縄だけが成長を続けており、これに着目した外資の進出も強まっています」

ソフトパワー

 海外資本やアジアの富裕層は、沖縄の何に引きつけられるのか。富川氏は、アジア地域に近い地政学的な優位性に加え、「沖縄固有の自然、伝統、文化といったソフトパワー」だといいます。

 沖縄本島北部には自然が多く残されており、それ自体の価値が高まる可能性が出ています。その北部地域に属する辺野古の海を埋め立て、米軍新基地をつくるのは、「あまりに時代錯誤的」だと批判します。

 「政府は沖縄に関して、安全保障上の必要性から議論を始めます。しかし、沖縄県民にはこう生きたい、という別の思いがある。そのことが、今回の県知事選と総選挙で明確に示されたと思います」

 (つづく)


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