2014年10月7日(火)
香港の抗議 長期化の様相
夜徹し座り込み 学生・政府溝深く
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【香港=小林拓也】中国全国人民代表大会(全人代)が示した香港行政長官選挙の改革案に反対する香港の学生や市民の大規模な抗議行動は6日も続き、9日目に入りました。政府が示唆した強制排除という最悪の事態は回避され、6日早朝の香港島中心部の金鐘(アドミラルティー)周辺では、夜を徹して座り込みをした人たちが静かな朝を過ごしていました。
学生の運動を皮切りに9月28日から始まった金鐘や繁華街の道路などを占拠する街頭行動は香港全土に拡大。繁華街での占拠に対しては、商店の営業や市民生活に支障が出るとの反発も出ています。香港大学生連合会(学連)は5日夜、連日の抗議行動で市民生活に影響を与えていることを謝罪する手紙を発表しました。
香港政府は5日、「対話の大きな門は開かれている」と表明。政府と学連は対話の可能性を探り始めています。しかし、選挙改革案の撤回と「真の普通選挙」実施を求める学生側と、全人代決定に固執する政府との間の溝は深いままです。
中国共産党機関紙・人民日報は1日から6日連続で、香港の抗議行動を「社会の安定を損ねている」と非難する論評を掲載しました。
金鐘で座り込みをしている会社員の男性(21)は「できる限りここで抗議を続け、真の普通選挙という目標を達成したい」と強調。学生や市民の抗議行動は長期化する可能性が高まっています。