2014年5月29日(木)
生活保護の申請・受給
許さない 大阪市の違法対応
調査団が区と交渉
大阪市が生活保護費を抑制するため、受給者や申請しようとする人に対し違法な対応をしているとして、弁護士・学者などでつくる大阪市生活保護行政問題全国調査団は28日、大規模な調査・交渉を始めました。大阪市の対応を放置すれば全国に波及する恐れがあるとして、2日間にわたって市・区と協議し、人権を尊重した保護行政への是正を求めます。この日は240人が参加しました。
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「娘が内緒でアルバイトしていた分の収入を申告しなかったのを不正受給とみなされ、保護を打ち切られた」(40代女性)―。70人が参加した大正区交渉では、個別の事例を無視した機械的な対応の実態が告発されました。
女性の事例は、不正受給の意図がなかったにもかかわらず、正当な申告後、バイトの収入が明らかになったとして悪質と判断され、廃止の処分が下されました。
「『廃止』は命に関わる非常に重い処分だ。悪意があったとする根拠はあるのか」と追及した木下秀雄・大阪市立大学大学院教授に対し、区の担当者は「根拠はある。(不満があれば)不服審査請求をしてもらえれば」と回答しました。
同席した小久保哲郎弁護士は「職員の知識不足、機械的な運用が明らかになった。大本にある市の方針から是正させていく必要がある」と話しました。
調査団の井上英夫団長(金沢大学名誉教授)は「全国への波及を防ぐため、歯止めをかけなければならない。生活保護法、保護基準引き下げ、憲法の改悪を押しとどめる上で、調査団の役割は大きい」と話しています。