2014年1月26日(日)
連続爆発6人死亡
大規模デモ3周年の前日
エジプト
【カイロ=小泉大介】エジプトの首都カイロとその近郊で24日、4回の爆発が相次ぎ発生し、6人が死亡、80人以上が負傷しました。ムバラク独裁体制を倒した最初の大規模デモから3周年の記念日を翌日に控え、治安部隊が厳戒態勢を敷く中で起こった首都での連続爆発に、多くの国民が将来への不安を高めています。
最初の攻撃は、カイロ中心部の警察本部に対するもので、自動車爆弾が門前で爆発、4人が死亡。その後も警察車両を狙った爆弾攻撃や、映画館付近での爆発などが相次ぎました。中東の衛星テレビ・アルアラビアなどによると、国際テロ組織アルカイダ系とされる「アンサル・ベイト・アル・マクディス(エルサレムの支援者)」が犯行を認めました。
マンスール暫定大統領は24日の声明で、攻撃を計画、実行、資金提供した者たちを厳罰に処する決意を示すとともに、「これらのテロ攻撃は、(2011年の)1月25日革命の目標の達成を目指すエジプト国民の意志を団結させるだけである」と表明しました。
エジプトでは昨年8月、前月に軍により解任されたモルシ前大統領の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の首都での座り込みを治安部隊が強制排除し、1000人ともいわれる死者が出ました。識者などはこれがテロ激化の事態を招くのではないかとの危惧の声を上げていました。
ムスリム同胞団は24日の連続爆弾攻撃を非難する声明を出しましたが、同日には、首都はじめ各地で暫定政府を批判する同胞団のデモ隊と治安部隊が衝突し、14人が死亡する事態も発生しました。