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2014年1月23日(木)

介護保険改悪に反対

“北海道で一点共闘”

「アピール」賛同650団体

意見書 自治体の1/4超す

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 「要支援」と認定された人を保険給付から外すなどの介護保険改悪に反対する“一点共闘”が北海道で広がっています。民医連加盟の介護事業所や、労組でつくる「介護に笑顔を」北海道連絡会が呼びかけた「共同アピール」には22日現在、北海道社会福祉協議会など広範な約650団体が賛同。同連絡会や日本共産党が働きかけた意見書は47市町村議会で可決され道内自治体(179)の4分の1を超えました。(内藤真己子)


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(写真)「笑顔の介護フェア」で列をなして署名に応じる人々=札幌市

 雪に覆われた街路を避け多くの人が行きかう札幌駅前の地下通路。イベントスペースで同連絡会は「笑顔の介護フェア」を今月上旬、開催しました。介護保険改悪反対の署名を終日呼びかけながら、介護相談や認知症の基礎講座など多彩に取り組み、立ち寄る人が途切れず400人が署名に応じました。67歳の男性は「15年母親を介護したが軽度者を切り捨てたら介護度が進む」とペンを執りました。

膨大な自己負担

 共同アピールに賛同した「北海道男性介護者と支援者のつどい」の小番(こつがい)一弘さん(54)が駆けつけました。自身の介護体験を交えながら「認知症の人は要支援でもかなりのサポートが必要だ。訪問介護が保険から外されると膨大な自費負担が必要になる」と訴えました。

 同連絡会が呼びかけた共同アピールは、(1)要支援者に対する介護予防給付を継続する(2)特養ホームへの入居を要介護3以上に限定せず従来通りとする―の2点。昨年10月、道内約3100の介護事業者・団体に郵送しました。各地の社会福祉協議会(社協)、保守基盤の老人福祉施設協議会、認知症の人を支える家族の会や高齢化社会をよくする女性の会など無党派の市民団体、大手介護事業所などが相次ぎ賛同しました。

“食い止めたい”

 同連絡会の石井秀夫共同代表(59)は「これまでにない幅広い団体、事業所から賛同が寄せられ予想を超える反響です。北海道では要支援者は介護認定者の3割に上り、保険給付から外されたらどうなるのかと強い危機感がある。改悪を食い止めたい」と話します。

 約450のデイサービス事業所が加盟する北海道デイサービスセンター協議会の瀬戸雅嗣(まさし)会長(52)は語ります。「普段は与党に働きかけていますが、みんなで声を上げるのも大事です。やるべきときは共闘しても構わないと思い賛同しました。デイでの食事や入浴で在宅生活を支えている要支援者が大勢います。保険外しは大問題です」

 改悪案に盛られた特養ホームの入所制限も深刻です。道の約2万6000人の特養ホーム待機者の4割が要介護1、2です。特養以外に居住系施設のない自治体が21あると日本共産党の真下紀子道議の質問で分かりました。法改悪でこれらの人が原則特養に入所できなくなれば、新たな介護難民となってしまいます。

北海道浦河町 町をあげて反対

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(写真)共同を誓い合う(左から)勤医労浦河支部の塚田まり書記長、連合浦河の石山英範会長、日本共産党の荻野節子浦河町議=北海道浦河町

 太平洋に突き出た襟裳(えりも)岬から西へ50キロ。競走馬・サラブレッドの産地の浦河町(人口1万3000人)は、町ぐるみで介護保険改悪に反対しています。

 民医連加盟の浦河診療所の職員らでつくる北海道勤医協労組(勤医労)浦河支部(川口貴美代委員長)は昨年11月、池田拓町長と懇談しました。要支援者への保険給付の継続などを求める要望書を提出。池田町長は要支援者の保険外しについて「好ましくない。国に働きかけたい」と応じました。町議会は、昨年12月、同趣旨の意見書を全会一致で可決しました。

 共同アピールには同町社協や連合北海道浦河地区連合会が賛同しています。全労連加盟の勤医労浦河支部が働きかけました。

 連合、全労連というナショナルセンターの違いを超えた共同は昨年、24年ぶりに統一メーデーを開いたのがきっかけです。連合浦河の石山英範会長(45)は「一昨年の衆院選挙で(支持する民主党が)惨敗し、連合も一生懸命町民のために頑張っている姿を見せることが大事だと、共産党の荻野節子町議を通じて勤医労さんに統一メーデーの開催を呼びかけました。共同アピールは連合としても賛同できる内容です」と話します。


国へ要望 働きかけたい

浦河町長 池田拓(ひらく)さん

写真:浦河町長 池田拓(ひらく)さん

 政府は社会保障のために消費税を上げるといっていたのに、介護保険サービスを低下させる見直しをするのは釈然としません。

 要支援者を保険から外せば自治体の財政力によりサービスに格差が生まれる可能性があります。要支援者へのサービスを厚くすれば地域で長く暮らせるのに保険給付から外せば重度化します。介護給付費の増加にもつながっていきます。

 町議会の意見書も踏まえ日高管内町村会として国に要望を上げるよう働きかけたい。


 介護保険改悪案 要支援1、2(150万人)のサービス費用の6割に及ぶ訪問介護と通所介護(デイサービス)を保険給付から外し、ボランティアなどが担う市町村事業に丸投げします。特養ホームの入所を原則として要介護3以上に限定。一定以上の所得者の利用料を2割負担にします。


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