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2014年1月3日(金)

きょうの潮流

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 お正月の三陸鉄道は「あまちゃん」効果で大にぎわいです。久慈―田野畑の間を走る「こたつ列車」は全国からの予約でいっぱい。広大な太平洋を望みながら、海の幸を味わえます▼一緒にこたつを囲んだカップルは大阪から来たとか。家族連れも多く、「なもみ」と呼ばれる鬼が現れると、歓声に包まれます。テレビの舞台と大震災の爪痕を紹介する車内放送を耳で聞きながら、自分の目で確かめる旅です▼起点となる久慈は「北限の海女」で有名です。海女の起源は海(あ)士(ま)=男の潜り漁でした。時代が明治になると海女が増え始め、女性たちの働き場になっていきます。近年は後継者不足でしたが、主人公アキにあこがれ、海女をめざす高校生も▼現在は終点の田野畑は、近世百姓一揆の到達点ともいわれる三(さん)閉(へ)伊(い)一揆を起こした村です。指導した切牛弥五兵衛と畠山太助をたたえた「一揆の像」もあります。江戸時代末、たび重なる飢(き)饉(きん)と南部藩の圧政のなか、生きるために民は団結して立ち上がります▼むしろ旗に「小○」(困る)を染め抜き、仙台藩に訴え、藩政を改めさせました。壮絶なたたかいの末に勝利したこの一揆は「黒船以上に大きな事件」だったと評されます▼震災で、ずたずたに寸断された三鉄。この4月に全線で運行が再開される見通しです。地域をつないできた“足”の復活は、復興の希望を乗せます。きびしい自然のなかで生き抜き、ときに悪政をただしてきた先人たちの不屈の精神は、脈々と今に引き継がれています。


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