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2013年12月5日(木)

猪瀬都知事への徳洲会マネー

5000万円裏金疑惑

「借用証偽造では?」 収賄罪成立も

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 公選法違反事件で逮捕者が相次ぐ医療法人「徳洲会」グループから猪瀬直樹東京都知事が、無担保・無利子で5000万円の資金提供を受けた問題が発覚してから約2週間。猪瀬氏は「選挙資金ではない」と弁明を繰り返しましたが、裏金疑惑は深まるばかりです。(都政取材班)


 「説明は納得できない」「知事を辞めたらどうか」。東京都の都民の声課には2日までに1099件の意見が寄せられ、その83%は抗議・批判でした。

釈明は二転三転

 徳洲会の裏金疑惑が発覚したのは11月22日。猪瀬氏は同日の会見で徳洲会側から5000万円の提供を受けたことを認めました。

 猪瀬氏の説明によると、2012年11月に徳田虎雄徳洲会理事長(当時)に面会、知事選出馬のあいさつをしました。知事選への立候補を表明する前日の11月20日、次男の徳田毅衆院議員=当時自民党、公選法違反事件発覚後に離党=から現金5000万円を受け取りました。

 猪瀬氏が特別秘書を通じて返金したのは、東京地検特捜部が同グループを家宅捜索した9日後の今年9月26日でした。

 猪瀬氏は11月22日午後1時すぎの会見で、「資金提供という形で応援してもらうことになった」と、いったんは選挙資金として受け取ったことを認めました。ところがその2時間後の会見では、「個人の借り入れ」「選挙の資金ではない」と訂正しました。

 26日、猪瀬氏は徳洲会側から返却されたという「借用証」を公表しました。「徳田毅殿 平成24年11月20日 金5000万円也 猪瀬直樹」とあるだけで、返済期限や利息は記入されておらず、押印、収入印紙もありませんでした。

 これには都民から「返済期限のない借用書などありえない」「偽造ではないか」と疑う声が相次ぎました。

 猪瀬氏は、町田市と港区に2カ所の土地・建物を所有し、預貯金の他に7474万円の貸付金もあります。猪瀬氏がなぜ巨額の借金をしたのか、しかも無担保・無利子で知事選出馬表明の前日に―疑惑は深まるばかりです。

公選法違反容疑

 猪瀬氏は5000万円の借金を、知事選の選挙運動費用収支報告書にも、政治資金収支報告書にも、知事の資産等報告書にも記載していませんでした。

 政治資金収支報告書の虚偽記載は5年以下の禁錮・100万円以下の罰金、公選法の虚偽記載は出納責任者に3年以下の禁錮・50万円以下の罰金が科せられます。

 さらに問題なのは、東京西徳洲会病院(昭島市)の事務局長が11月に、東京地検特捜部に公選法違反で逮捕されたことです。

 都は同病院や徳洲会の老人保健施設に対し、整備費補助として9億円余を支出しています。補助団体から、無利子で借金をすることは利益供与にあたり、収賄罪が成立する可能性もあります。

百条委で究明を

 日本共産党都議団は、地方自治法100条に基づき強力な調査権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を各会派に提案しており、究明に全力をあげる構えです。


職員は99万円借金で免職

 「工事発注企業から無利息で99万円の借金をした都職員は懲戒免職でした」。総務局人事課は、都職員の懲戒処分の指針をもとに処分したケースを説明します。50万円の借金を申し込んだだけで停職3カ月の処分もあります。

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