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2013年9月20日(金)

「君が代」 口元監視 138校に指示

大阪府教委の中原教育長

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 大阪府教育委員会は、入学式や卒業式での「君が代」斉唱の際、教職員が実際に歌っているか口元を監視し、結果を報告するよう求めた通知文を府立高校138校に送り、支援学校31校の全169校に送付することが19日、明らかになりました。

 通知文は、入学式や卒業式などで「君が代」の起立・斉唱で校長・准校長が職務として、「教職員の起立と斉唱をそれぞれ現認する」「現認については、目視により、教頭・事務(部)長が行う」と明記しています。

 府教委は「今春の入学式で国歌斉唱時の不起立はゼロだったが、立っても歌わない教職員がいた。条例にのっとり斉唱の指導強化が必要と教委で議論し、従来の指導を明文化した。チェックの方法や基準をより厳しくするものではない」とのべています。

 橋下徹知事(当時)率いる「大阪維新の会」は2011年6月、「君が代」起立強制条例を強行しました。教職員の思想・良心の自由を踏みにじるもので、大阪弁護士会長が「違憲・違法の疑いが強い」との声明を発表するなど各界から強い批判と反対の声がわきあがっていました。

 事の発端は、中原徹教育長が今年4月に就任したことから始まります。中原氏は、橋下氏の友人で10年4月、府立和泉高校に民間人校長として登用され、「君が代」起立強制条例制定後の12年3月の卒業式で教職員が歌っているかどうかを監視し、口元をチェック。結果をメールで報告し、保護者や教職員が強く反発しましたが、橋下氏が「職務命令を忠実に守った」と絶賛した人物です。

府高教が撤回要請

 大阪府立高等学校教職員組合(府高教)は19日、府教委に厳重に抗議し、通知の撤回を求めて要請しました。

 要請書は「職務命令で教職員に起立・斉唱を強制することは『思想・良心の自由』を侵すもの。管理職に起立・斉唱の確認を求める今回の通知は教職員への強制を一層強化するものであり、断じて容認できない。厳重に抗議し、撤回を求める」とのべています。

 志摩毅委員長は「通知はチェックの基準を厳しくするものではない」とする府教委の認識について、「起立と斉唱を別々に確認する内容になっているのは、今までよりも一歩踏み込んだもの。チェックの強化になる懸念がある」と批判しました。


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