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2013年7月20日(土)

アベノミクス それホント?

大胆な金融政策で融資増額を期待…

中小向け、最低水準のまま

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 安倍晋三首相は、「大胆な金融政策」で「異次元の金融緩和」をすれば銀行の企業への貸し出しが増えると言っています。しかし、安倍首相はその一方で、中小企業の資金繰りを支える制度を打ち切っています。実際、大銀行の中小企業等向け貸出比率は、最低水準に落ち込んでいます。(山田俊英)


円滑化法を廃止

 安倍政権は3月末、中小企業金融円滑化法を打ち切りました。延長を願う多くの声は無視されました。中小企業や住宅ローン利用者が金利の引き下げなど貸し付け条件の変更を希望する場合、応じるよう金融機関に義務付けた法律です。2008年のリーマン・ショック以降、経営が悪化した中小企業を支援するため、09年12月に施行されました。30万〜40万社の中小零細企業が利用したとされ、条件変更は300万件を超えます。中小企業の返済負担を軽減し、資金繰りの行き詰まりによる倒産を減らしたと評価されました。中小業者の中では、同法が打ち切られたことで金融機関の姿勢が厳しくなると不安の声が上がっています。

 もともと、銀行の中小企業向け貸し出しは減少傾向でした。民間金融機関による中小企業向け貸出残高は、01年3月の293兆円から12年12月には221兆円へ72兆円も減少しました(中小企業白書2013年版)。

 特に、三大銀行グループ(三菱UFJ、みずほ、三井住友)の中小企業等向け貸出比率は、05年の「3メガ」発足後、最低です。3メガバンクの国内貸し出しに占める中小企業等向け貸出比率は、13年3月期決算では60・4%。これまで最低だったリーマン・ショック直後の09年3月期の60・8%を下回りました。金融円滑化法の打ち切りは、こうした中小企業に冷たい銀行の姿勢にさらに拍車をかけるものです。

 「頼みの綱」となるべき政府系金融機関も短期的な「効率化」を迫られて審査基準を厳格化しています。中小企業の融資に公的機関が保証を付ける信用保証制度は、自公政権のもとで05年、「全額保証」から「部分保証」に後退させられました。

金融機関の責務

 今、必要なことは、民間金融、公的金融ともに本来の役割を発揮できるように金融行政をおおもとから転換することです。日本共産党は、企業の99%、雇用の7割を支える中小企業を支援し、地域経済に円滑に資金が供給されるよう金融行政を転換します。

 中小企業金融円滑化法を復活し、さらに使い勝手の良い制度につくり替えます。金融機関、特に大銀行による貸し渋り、貸しはがしをやめさせます。「地域金融活性化法」を制定し、金融の公共性の発揮と円滑な資金供給に関する国、自治体、金融機関の責務を明確にします。

グラフ

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