2013年6月11日(火)
連帯と正義の欧州を
ギリシャ 労組など緊縮反対デモ
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【アテネ=浅田信幸】ギリシャ・アテネのオリンピックスタジアムで開かれていた全欧規模の市民団体や労組などによる「欧州対抗サミット」は8日、分科会を終了し、同夕方、「連帯と社会正義の欧州を」のスローガンを掲げたアテネ市内のデモ行進で締めくくりました。
対抗サミットに参加した代表らを中心とする約1500人のデモ隊列は、考古学博物館前から国会議事堂前のシンタグマ広場まで2キロ弱の距離を行進、「緊縮をやめろ、社会的欧州を」と元気な声を響かせました。
圧倒的に多い赤に交じって、黄、青、緑…さまざまな色彩の団体旗、組合旗は、ギリシャからスウェーデン、スペイン、フランス、イタリア、トルコまで国際色にあふれました。
参加者たちは口々に対抗サミットが、緊縮政策に反対し、現在の欧州連合(EU)を市民本位に変えることをめざし、市民団体や労組、左翼諸党を含む包括的な勢力による対案の提示と共同行動の発展に向けて、「新しい出発点」となったことに確信を持ったと語ります。
この日のデモにしか参加できなかったというアテネ在住の男性は、記者の問いに「対抗サミットはギリシャ国民の緊縮策に対する抵抗運動を励まし、国際連帯を示すもの。これからも発展していってほしい」と語りました。
デモに先立ち、対抗サミットは同日の午前と午後に、「公共財の民営化」や「不安定労働と失業」などの分科会を開き、それぞれの国の実情やたたかいの現状を紹介。1年後の欧州議会選挙や年末に向けて、要求を共通化し、共同の行動計画を練り上げていくことを合意しました。